ベテランにも容赦なく言い放つ

 ワールドカップ開催前の今年9月、日本代表は『キリンチャレンジカップ2022』に臨んだ。そのときチームには前回・前々回大会で代表キャプテンを務めた長谷部誠が帯同した。代表は引退しているが、長谷部は今やドイツでは“皇帝”と呼ばれ、鎌田のチームメイトだ。多くの代表選手が長谷部に質問、アドバイスを求めるなか、鎌田は皇帝について次のように語っている。

「僕は自分を持っているので、先輩にこうしろとか、ああしたほうがいいとか言われて素直に聞くタイプではない。ハセ(長谷部)さんの話を聞いてどうこうっていうのはなかったです」

 先輩にも言いたいことは言う。自信があるからだ。最後は試合中の出来事……。

「鎌田選手が所属した当時、サガン鳥栖には日本代表でチームの絶対的エースだった豊田陽平選手がいました。そんなチームのトップスコアラーの豊田に対し、“お前下手くそなんだから、俺にボール出しとけば点取れるよ”と試合中に言い放ったそうです。

 言葉だけ切り取るとものすごく調子に乗っている嫌な奴と思われるかもしれませんが、サッカー選手、特に得点が求められる前線の選手はそのような強い気持ち、“我”を出すことやチームメイトに要求することが求められますし、それをする選手は“良い意味で生意気”だと、サッカー界では好かれたりします。ただ、それは結果を出していればこそですが」(前出・サッカーライター、以下同)

 鎌田は同じグループに入った強豪国・ドイツに対し、「(‘14年ブラジルW杯で優勝した)本当に強かったときのドイツとは違う」とも話していた。

 遠藤航のケガの影響でボランチでの出場が予想されている鎌田。崖っぷちに追い込まれたビッグマウスは、日本を決勝トーナメントに連れて行ってくれるか。