出演歌手の高齢化も
田辺氏は現在、創立60年目を迎える日本歌手協会の会長を務めており、古くから親しまれた楽曲を歌い継ぐ活動も行っている。
「若い人たちが古い歌に関心がないのは当然かもしれません。僕だって若い頃は自分より上の世代の人の曲は、馴染みが薄く別世界の音楽という感覚でしたから。でも、今の若い方が聞いている曲もいずれ“懐メロ”とされるときがきます。流行にとらわれない歌番組はこれからも必要だと思いますよ」 (田辺さん、以下同)
出演者たちにとっては「同窓会のような番組」だと語る。
「以前は共演者とゆっくり挨拶とかできる貴重な場でしたが、コロナ禍以降は自分の歌の番が終わると帰ってしまうようになったのが寂しいですね。歌手協会の方にも出ていただいた里見浩太朗さんに会えた際は、お礼を言わせていただきました。京都の撮影所で芝居したときに共演したこともあって古い仲なんですよ」
'21年に番組に出演した『ザ・ドリフターズ』の仲本工事さんが今年10月に亡くなるなど、出演歌手の高齢化により共演者との別れも続いている。
「年齢を重ねると共演していた仲間が亡くなることも増えるので、寂しいものです。この番組でよくご一緒していた弘田三枝子さんは一昨年。ジェリー藤尾さんは昨年亡くなってしまいました。自分もいつどうなるかわかりません。それでも歌える限り歌い続けて行きたいですね」
時代を越えて愛され続ける“日本の歌”を届け続けるテレビ東京。大晦日の風物詩が『紅白歌合戦』から変わるのも、そう遠い日ではなさそうだ。