節分の夜、その年の恵方(吉方位)を向いて巻きずしを食べると願いが叶う―近年、国民的な食イベントとなった“節分の恵方巻”。
関西の地方行事が“全国区のイベント”になった「恵方巻」
食べ方は諸説あるが、クリスマスのケーキ、お正月のおせちが過ぎると、食品業界がこぞって準備を始める。そもそもは商都・大阪が発祥の風習だそうだが、ハロウィンと同じく年々派手に、全国区になってきたようだ。
もちろん、恵方巻そのものも派手に、価格も立派になってきた。値段が1本1万円超えなどもいまや珍しくない。伊勢海老が丸ごと1本使われていたり、お花が咲き乱れていたり、金箔が巻かれていたり……もう豆まきどころじゃない。
節分じゃなく、もはや“恵方巻ナイト”とかに改名すべきではないか。だが、こんな楽しいイベントに乗らない手はない。かくしてわれわれ取材班は、すこぶるリッチで美味しそうな“ハイエンド恵方巻”を集め始めた。
今年、特に目立っていたのは『むら・か・み・さ・ま恵方巻』など、流行語を冠したネーミングの恵方巻。
「流行語はお客様の記憶にも新しく、会話が盛り上がる要素になると思い、モチーフにしました。コロナ禍で楽しいことが少なくなっているなか、より一層楽しんでもらいたいです」(大丸東京店・広報)
そのサービス精神からか、『むら・か・み・さ・ま~』も金箔の上にウニ、カニ。ハミ出す海鮮……とド派手に映えまくっている。
「コロナ禍以降、外食できない反動か、お客様の購入金額が上がり、より贅沢なものにシフトしました。それに応える意味で高価格帯のものをとりそろえています」(同・前)
“ハレの日豪華ニーズ”が恵方巻にも波及
別の老舗デパートも、リベンジ消費を感じている。
「クリスマスやお正月にお金をかける“ハレの日豪華ニーズ”が増えています。さまざまなものの値上げが続く中、日々の生活は引き締めて、特別な日にはしっかりとお金をかけるメリハリ消費に加速がついているのでは」(松坂屋上野店・広報)
高級ホテルや高級デリショップのほか、庶民派スーパーすらも1万円台の恵方巻を出した今年。豪華恵方巻で大きく福を呼び込もう!