1月31日、卵の卸売価格が1キロ305円をつけ、最高値を更新した。鶏のエサ代の高騰と鳥インフルエンザの流行に伴う値上がりで、このあと店頭での小売り価格に転嫁されていくものとみられている。
値上がり前に“買いだめ”しておきたいところだが、卵の賞味期限は採卵日からだいたい2~3週間。そんなにたくさんは買っておけないが……。
「実は、卵は冷蔵保存なら2か月間は生で食べられます。加熱調理するなら4か月は大丈夫ですよ」と教えてくれたのは、京都女子大学研究教授で、株式会社NBL「鶏と卵の研究所」所長の八田一氏だ。では、なぜ2~3週間の賞味期限なのだろうか。
3万個に1個の「特別な卵」が基準になっている
卵の賞味期限はある特別な卵を基準に定められているという。それは、サルモネラ菌が中に入ってしまった卵。割合としては約3万個に1個のごくまれな確率で、たとえ、菌入りの卵を25度の室温で保存しても、生で安心して食べられる期間を賞味期限に設定しているため、2~3週間という短さなのだ。
「温度管理が徹底できていれば、サルモネラ菌が増えることはありません。卵は菌に対して強い性質があるので、冷蔵保存で加熱して食べるなら、4か月くらいは問題ありません。目安は卵を割ったときの卵黄の状態です。もし卵黄が割れていたら、それはよっぽど古い卵なので加熱調理でも食べないほうが安全です。その場合は捨ててください」(八田氏、以下同)
では、安いときに買いだめできるということ?
「はい、ただし、ひびが入っている卵は要注意です。たとえ賞味期限内でも雑菌が入り込んでいる場合があるので、しっかりと過熱して食べてください」
ゆで卵は、ちょっと古いくらいがおいしい
新鮮な卵の中には二酸化炭素が多く含まれていて、そのせいでゆでるとボソボソになるが、日が経つにつれて二酸化炭素は抜けて、ゆでるとプリプリの白身になる。ゆで卵にするなら、ちょっと古い卵のほうがおすすめだという。
卵白を泡立てて使う場合も、少し古くてサラサラしたもののほうが、泡立ちが早いというメリットがある。卵は新しければ新しいほどいいわけではないのだ。
近いうちに店頭価格が上がる卵。スーパーで安売りしていたら、迷わず買い物かごに入れたい。