“不都合な真実”は隠される
秋篠宮さまは、昨年11月の誕生日会見で「各皇族方がSNSアカウントを持って情報発信する可能性」について問われた際、「ありうる」とコメントされた。
「段階を経る必要はありますし、将来的には宮内庁経由にはなりますが、皇室の方々が自らのアカウントでお気持ちなどを発信されるようになるでしょうね」(山下さん)
公務でのスピーチや節目の会見など、皇族方が胸中を明かされる場面は今もある。
「紀子さまは昨年9月のお誕生日文書で、眞子さんのお印のモッコウバラのアーチを作るため手入れをしていると明かし、《いつか娘とゆっくり歩くことができたら》と綴られて話題になりました。結婚問題以来、溝があるといわれた母娘関係でしたが、破綻していないとアピールされたのです。この件もしかり、今後はSNSでも、ご一家に関するポジティブな投稿を多く発信されるのでは、と囁かれています」(前出・宮内庁関係者)
ベールに包まれた皇室の方々の素顔は、多くの国民にとって興味深いはず。しかし、皇室制度に詳しい、静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は「期待できない」と話す。
「皇室にとって不都合な真実は当然、隠されると思います。皇室では“プライベートなことなので”と情報開示を避け、記者からの質疑に応じないケースが長年続いてきました」
小田部教授は、公務でのファッションやおことば、訪問先の人たちとの交流などが投稿の中心になると推測する。
「国民が知りたい“真の姿”と、皇室や宮内庁が発信したい姿は、決して同じではないでしょう。結果として世間とのズレが露呈することはありうるし、皇室サイドの一方的な価値観と情報が発信され続けるようであれば、むしろ信頼や関心を損ない、発信元のイメージが悪化する可能性もあると思います」
紀子さまの“秘策”は成功するのか、それとも─。
山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている
小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』(星海社新書)など著書多数