世田谷代田でコンポタ缶が飛ぶように売れている
ドラマのロケ地として使われた小田急線の世田谷代田駅前は“聖地巡礼”として名所に。2月上旬に世田谷代田駅へ出向くと、平日にもかかわらず記念撮影をしている人がいまだ多くいる。ドラマで使用された駅前のベンチで撮影しようと、順番待ちをする人も見られた。駅近くのコンビニで話を聞くと、
「最近でもドラマのファンと思われる女性やカップルの方は多いです。土日はもっとすごいですよ。ドラマにも登場したコーンポタージュ缶は店頭に出せばすぐ売れてしまいます」
コンポタ缶を持ってベンチで撮影する人も多く、駅の自販機で販売しているコンポタ缶は15倍の売り上げという話もある。
小田急電鉄によれば、11月の世田谷代田駅の定期外乗降人員数は、ドラマが始まる前の9月と比較して22.7%増だった。不動産・住宅情報サイト「ライフルホームズ」の賃貸物件ページ、世田谷代田駅の閲覧数は、ドラマ放送前から1.2倍に増えたという。
ドラマによる影響もありそうだが、前出の衣輪氏はここ数年の“聖地巡礼”の経済効果について分析する。
「『silent』の経済効果は数字としては出ていませんが、それなりにあると思います。過去のドラマでは'13年放送のNHK朝ドラ『あまちゃん』が33億円、地元への経済効果があったといわれ、そのあたりから聖地巡礼の経済効果が騒がれるようになりました。ロケの誘致から撮影のサポート、その後の観光客誘致などを行うフィルムコミッションによる地域活性化が盛んになっています」
『silent』の場合は昨年4月から開始した小田急のロケーションサービスが関わっており、地域活性化が成功したいい例だ。だが、聖地巡礼が増えると問題点も多い。