「つまりは『JO1』を排出した『PRODUCE 101 JAPAN』、『BE:FIRST』の『THE FIRST』を意識した当時の流行り企画で、オーディションを主催したのがblowoutの音楽レーベルでした。
そして最終的に選出された6人のメンバーで『VECTALL』を結成し、同年12月にプレデビューシングル『Perfect Love』をデジタル配信。そして念願叶って、翌2022年5月11日にデビューシングル『Break of Dawn』を発売したのですが……」
翌週に発表されたオリコン週間ランキングで初登場43位、累計売上枚数は1万枚にも届かなかったようだ。この散々たるデビューの結果に見切りをつけたのか、翌6月30日に公式ツイッターにて《本日をもってVECTALLは解散致します。》。
わずか51日間で潰えたメンバーの夢
なんとデビューからわずか51日間の活動で解散発表。オーディションからメンバー選抜、そしてデビューを経験した6人の若者たちの夢はあっけなく途絶える。奇しくもラストアイドルと同時期の解散は偶然なのだろうか。
「このメンバーによる報告のリツイートすら50件に満たず、その中のコメントも《早すぎない?》と解散に首を傾けるものばかり。おそらくはオーディション番組自体、そしてグループ知名度が低すぎたことも原因なのでしょうが、そもそも至る所で開催されていた食傷気味の公開オーディションに乗るのも遅かったのかなと。
解散理由の本当のところはわかりかねますが、そこは数字や数値が重視されるというIT業界の経験からか、一ノ宮氏は“損害リスク”を最小限に抑えるがために踏み切ったのかもしれません」
今回の新ラストアイドルオーディションは非公開としたのも、きっちりと“数字を出せるアイドル”を送り出すために外野の声をシャットアウトするための措置だったのかもしれない。彼・彼女たちの「夢」ばかりがクローズアップされがちだが、ひと当てすれば一大ビジネスになるのがアイドル商売だ。
「オーディションに応募する若者たちの多くが“アイドルに、歌手に、アーティストなりたい”という夢を叶えるべく、それこそ公開番組では映らないところでも懸命に努力を重ねて、それぞれのグループに人生を捧げる気持ちで臨んでいます。
“ダメなら次”と新グループに舵を切るのはビジネスとして間違いではないと思いますが、プロデュースをする大人たちは若者たちの気持ちを大事に育て、フォローする義務があるのではないでしょうか」
かつてはバンドでインディーズデビューを果たし、メジャーデビューも夢見ていたであろう一ノ宮氏。お節介ながら、当時の気持ちを胸に「新ラストアイドル」のプロデュースに勤しんでほしい。