ここにいる若者たちは“ドン横キッズ”と呼ばれている。東京・新宿歌舞伎町の“トー横キッズ”のように、拠り所のない少年少女が集まっているのだ。溜まり場だった広場が昨年6月に閉鎖されると、ドン横キッズたちは近くの池田公園や名古屋のフォトジェニックスポットとして有名な複合施設『オアシス21』などにたむろしている。吉野容疑者の人となりを取材すべく、ドン横キッズたちに話を聞くも彼らを知るものはいなかった。
「髪型、髪の色を見る限り、ホストかも。ホストにも住所不定はそこそこいますから」(公園にいた20代男性)
前出の地元メディア記者によると、
「吉野容疑者は以前、トー横にもいて、あちこちを放浪していたという情報もある」
そこで、トー横キッズたちの取材を進めると、吉野容疑者を覚えていた数名の若者たちに出会えた。冒頭の知人の10代A君はこう語る。
ドン横、トー横、大阪のグリコ上…フラフラしていた
「彼のSNSのハンドルネームは“タダのゴミ”だから、僕らは“タゴミ”と呼んでいるんです。4、5年前にドン横からトー横に来たみたい。といっても、ずっとここに居ついていたわけじゃなくて、ドン横に戻ったり、大阪のグリコ上(道頓堀)、横浜のビブレ横などにも行ったり。フラフラしていた」
容疑者のおふざけ動画も提供してくれた。
「これはみんなでタゴミを亀甲縛りにしたやつ(笑)。いじめじゃなくて、やるほうも、やられるほうも、楽しみながらやったものだよ」(同・A君)
タゴミの印象は“決して悪くはなく、むしろいいほうだ”と話すのは、10代B君。
「意外に人気者でね。ほとんど1人では行動しない。裏を返すと、寂しがりやなのかもしれませんね。名古屋や大阪から、知り合いをよく連れてきていた。みんなで集まると、彼はムードメーカーでサービス精神旺盛だから盛り上げようとしてくれる。ただ、ちょっとズレてるところもあって、それがあの『くら寿司』動画。あれはやりすぎ」