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ー 日本の医薬品が『神薬』と呼ばれて
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ー ピークタイムは夜10時前後

 昨年10月に新型コロナの水際対策が緩和されて以降、日本の観光地に急速に活気が戻っている。コロナ禍の影響で一時はほぼゼロにまで減少していた訪日外国人(インバウンド)がV字回復の兆しを見せていることが最大の要因だ。

 4月19日に日本政府観光局(JNTO)が発表したデータでは、この3月の訪日外国人数は181.7万人。前年の同月比では27.5倍となり、コロナ禍前の2019年3月に比べると約66%の水準にまで戻っているという。

 ただし、国・地域別の割合には変化が見られる。かつて最大の「お得意様」であった中国人旅行者の戻りは鈍く、今のインバウンド回帰のメインは韓国からで46.6万人。次いで台湾から27.8万人、米国から20.3万人という状況だ。訪日外国人の10人に4人が韓国からの渡航者なのだ。

日本の医薬品が『神薬』と呼ばれて

 そんななか、インバウンド客が団体で訪れる量販店の棚にも大きな変化が起こっている。先日、『ドン・キホーテBIGFUN平和島店』を訪れたところ、アルコールの棚からサントリー社のウイスキーだけがこぞってなくなっているという異様な光景に出合った。

 角ハイボールでもおなじみの『角瓶』はすべて完売。4Lの大容量ペットボトルタイプや、5Lの業務用までがきれいになくなっていた。さらには『サントリーウイスキーオールド』、通称「ダルマ」も棚から消え、残っているのは他社ブランドの商品ばかり。

「実際にこの3~4月に、インバウンドの影響によって『角瓶』が品薄になった店舗が一部ございます。特に韓国では若者を中心にハイボールブームが起きているようで、知名度やブランド力の強いサントリー社などのウイスキーを目当てに来店される外国のお客さまは多いです」

 そう教えてくれたのは、量販店の『ドン・キホーテ』を展開する、株式会社パン・パシフィックインターナショナルホールディングス(PPIH)広報室の池葉正樹さん。

サントリー社のウイスキーだけがなくなっている陳列棚。(4月12日、筆者撮影)
サントリー社のウイスキーだけがなくなっている陳列棚。(4月12日、筆者撮影)

 ハイボール向けウイスキーの代表銘柄でもある『角瓶』は、韓国でも輸入販売されている。ただし、税の高い韓国では1瓶(700ml)4万ウォン前後(約4000円)と、日本の2倍以上の価格で販売されており、それでもなお、店頭に並ぶとすぐに完売するという絶大な人気。こういった事情もあり、訪日観光のお土産として『角瓶』を爆買いしていく韓国人旅行者は多いようだ。

 ほかにも、訪日客からの人気が特に高い商品はいろいろある。なかでも代表格として挙げられるのが、風邪や胃腸などの一般医品だ。

「今年1~2月には日本製の風邪が品薄となりましたが、これも海外での需要による影響が大きいです。特に中国や台湾では、日本の一般医品の一部が『神』と呼ばれていて、日本で必ず買って帰るべきお土産の筆頭格として人気を集めています」(池葉さん、以下同)