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ー 不敵な笑みの背景に「機内での様子」

「飛行機から手錠かけた状態で降ろせないんですよねー」

 そう話したのは、警視庁の広報担当者だ。

 動画投稿サイトで芸能人らへの度重なる脅迫したなどの疑いで逮捕状が出ている元参議院議員のガーシーこと東谷義和容疑者。彼が滞在先のUAE(アラブ首長国連邦)から航空機で成田空港に向かっていて警視庁が帰国次第、逮捕するという情報が入ったのは4日昼前だった。4日17時着の便で到着するという。
 
 冒頭の言葉は、成田空港で待ち構える報道陣に向けて発せられたものだ。

「他国の飛行機なので治外法権が発生してしまうので、機内では手錠をかけられない」(同・広報担当者、以下同)

 警視庁は混乱を避けるため、さまざまなケースをシミュレーションしているようで、

「通常であれば、機内の一般客を全員降ろして、被疑者を最後に降ろすのですが、今回こちらには彼をずっと座らせておく強制力がないんです。だから、一般客に混じって降りてくる可能性もあり、撮影トラブルが起きかねない」

 そんな理由から、報道陣は通常より後方の位置を陣取って帰国するガーシーを待ち構えていた。

「被疑者が航空機から降りてきたら、逮捕状を読み上げたり、手錠をかけたり、身体検査や差し押さえもすると思われるので、若干の時間がかかるかと思います。でも出る時は合図を送りますので。出てきたら、あのフィリピンから帰国してきた被疑者ら(ルフィ事件のこと)の流れと何ら変わりありませんので」
 
 だが、予想よりも少し早くその瞬間は訪れる。

不敵な笑みの背景に「機内での様子」

 17時半、乗客とともに出てきた彼を警察は一旦別室へ連れて行く。その15分後、手錠をかけられた状態のガーシー容疑者が報道陣の前に姿を表した。多数の報道陣を見て不敵な笑みを浮かべながら、我々の前を通り過ぎて行った−−。

「彼は機内の後ろの方に座っていた。そこでしきりにスマホをいじっていたという情報もあります」(全国紙社会部記者)

 警視庁はガーシー容疑者の身柄を警視庁本部に移送し、本格的な取り調べを行っていくことになる。