圧倒的に男性のステータスが高いのが特徴

 一方、平成生まれ(15歳〜34歳)が選ぶ「理想のカップル」の1位は『花より男子』井上真央松本潤の結果に。

松本さんが演じた、唯我独尊の俺様キャラでありながら、好きな女の子にはめっぽう弱くおバカな道明寺司のキャラクターは、現在の“ポンコツ”ブームにもつながるところがあります。“おバカな男はかわいい”という新たなジャンルを開拓することに成功。新しい時代のシンデレラストーリーであった点も、同世代の女性たちからの支持を集めたのだと思います

『花より男子』のメインキャスト(左上から松本潤、小栗旬、松田翔太、井上真央、阿部力)
『花より男子』のメインキャスト(左上から松本潤、小栗旬、松田翔太、井上真央、阿部力)
【写真】『花より男子』の続編打ち上げに松本潤と小栗旬がサプライズ登場!

 平成生まれが理想とするカップルに傾向はある?

「平成生まれは“現実は現実、ドラマドラマ”という思考の切り分けがはっきりできているのでしょう。現実には起こり得ない“非日常の夢物語”としてドラマに陶酔しているように思えます」

 たしかに、より少女漫画的な設定のカップルがランクインしている。

2位の『逃げ恥』を除くと、圧倒的に男性のステータスが高いのが特徴です。'90年代と比べて、より男女平等が進み、経済的に自立する女性も多くなりました。それでもやっぱりどこかで“男性には自分より稼いでほしい”という本音や、時には男性に振り回されたいという願望が見てとれます

 女性が自分の意思で自由に人生を選び取れるようになったがゆえ、今度は逆に有無を言わさず引っ張ってくれる強い男性を求めてしまうのが人間の本能だと続ける。

「こういったお金があってグイグイ引っ張る男性たちに女性が夢を見るのは、優しくフラットだけれど高収入は望めない現実の男性たちに対する裏返しというか、ドラマくらいは強くてお金のある男性にキャッキャしたいという願望の表れと言えるのではないでしょうか(笑)」

 理想と現実は違う!

横川良明 フリーライター。1983年、大阪府生まれ。テレビドラマ、映画、演劇などエンタメに関するインタビューやコラムの執筆を幅広く手がけている。著書に『人類にとって「推し」とは何なのか、イケメン俳優オタクの僕が本気出して考えてみた』(サンマーク出版)、『役者たちの現在地』(KADOKAWA)