日本でブレイクした翌年には、元カノとの不倫が発覚。地元・北海道で再会して盛り上がり、ホテルに行ったところを文春砲に撃たれ「安村がパンツを脱いだ!」などと書きたてられた。
さらに連日、不自然なポーズをとり続けていたことから腰を痛め、椎間板ヘルニアで入院。それもあって、16キロ減量したところ、あの芸にはややそぐわない体形になり「芸も減量した?」と皮肉られてしまう。
一発屋の法則
ただ、彼の不倫は忘れられるのも早かった。折しも「ゲス不倫」の年で、ベッキーやら宮崎謙介やら、彼よりもインパクトのある騒動がめじろ押し。また、ヒマになったことで、元の体形に戻っても、腰への負担は軽減した。
ちなみに『一発屋芸人列伝』(山田ルイ53世)には不倫騒動について、
「正直、2016年はまだ普通にテレビに出られるだろう、その次の年からが勝負、と考えてたら、いきなり出鼻をくじかれた」
という安村の言葉が出てくる。
が、実はこれもよかったのだ。ブームが短いと、そのぶん消費されないで済む。その点、今回のブームも長続きはしないだろうし、なにぶん、遠い異国でのことだ。
時々ちょっと思い出してもらえるくらいが長持ちするというのが、一発屋の法則なので、安村もしばらくは安泰だろう。
しかも、あの芸が海外でもウケることがわかった。といいつつ、米国ではパンツのことを「アンダーウエア」と呼ぶので英国バージョンは使えないとか、韓国ではハダカがNGなので全身タイツでやらなくてはならないとか、いろいろ難しいようだが─。
とりあえず「世界の一発屋」も夢ではない。
ほうせん・かおる アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。