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ー “奇跡的な作品”と言われる『ナウシカ』
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ー 7月から「金ロー」で放送されるジブリ作品

 

 毎週金曜日のお楽しみ、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で、7月7日に『風の谷のナウシカ』が放送される。 

 2018年にベストセラーとなった書籍『君たちはどう生きるか』がジブリ映画化され、7月14日に公開される。その新映画公開を祝し、3週連続“ジブリ金ロー”が開催され、『風の谷のナウシカ』を皮切りに、『コクリコ坂から』、『もののけ姫』と続いていく。『風の谷のナウシカ』は今回で2020年以来19回目の放送となるが、1986年の初回放送から一度も10%を割ることのない、安定した視聴率を誇っている。

『風の谷のナウシカ』は、文明が崩壊してから1000年がたち、“腐海”と呼ばれる毒を発する森やそこに住む巨大な生物・王蟲に生活が浸食されていく世界が舞台。風の谷の王妃であるナウシカは、陰謀論に巻き込まれながらも、環境問題を抱えながらも勃発している戦争の敵や王蟲との共生の道を追求していく。

 1984年に公開され、再放送の度にSNSではトレンド入り。歌舞伎化もされるなど、時間がたっても愛され続けている作品だ。劇中には、一度見ただけでは分からない奥深い演出がちりばめられており、ネットでの議論もいまだ絶えない。

 本作は、宮崎駿監督の長編アニメーション2作品目となったが、映画化までの道のりは順調ではなかった。

“奇跡的な作品”と言われる『ナウシカ』

『風の谷のナウシカ』作品画像/公式HPより
『風の谷のナウシカ』作品画像/公式HPより

「実は『風の谷のナウシカ』には、原作とされる漫画があるんです。1982年から雑誌『アニメージュ』で連載が始まり、完結したのは1984年の映画公開から11年後。映画で描かれているのは2巻までの内容です。宮崎監督が自身で漫画を描いていましたが、当時は映画化のつもりはなかったそうです。当時の宮崎監督は映画の仕事がほとんどない状態で、これが唯一のチャンスとなっていたので、“奇跡的な作品”と、ファンの間では有名です」(アニメ映画ライター)

 内容も制作エピソードも、知れば知るほどハマってしまう同作のキャッチコピーは“マスクをしないと生きられない世界”。新型コロナウイルスによってマスク着用を強いられた現実と交差し、以前とは異なる気持ちで見る方もいるだろう。

 時代や周りの環境が変わるたびに新しいメッセージをくれる『風と谷のナウシカ』。7日の放送後は、今後の20回目の金曜ロードショーを待たずとも、もう一度自分で見て、新しい発見をしてみるのもいいかもしれない。