自身のYouTubeには義父母も頻繁に登場する。同居生活の工夫や苦労なども明るく発信している(YouTube「大場久美子のクーミンChannel」より)
自身のYouTubeには義父母も頻繁に登場する。同居生活の工夫や苦労なども明るく発信している(YouTube「大場久美子のクーミンChannel」より)
【写真】亡くなった父を介護中の大場さん

介護生活になったらしてもらいたいことも具体的に準備

 そう遠くない未来、自分も“介護される側”になるという視点を持つことも、人生の最期の迎え方を考える上で重要だと思うようになった。

“私はこう思うよ”“こうしてくれたらうれしいな”と素直に気持ちを話し、相手の意見を素直に聞くことが、心地よい暮らしには必要ではないかなと。パパに快く介護してもらえるようなおばあちゃんになりたいから、そういうふうに過ごしていきたいと思っています

 さらに、介護生活になったらしてもらいたいことも具体的に準備している。例えば、食事。“これがあれば安心”という料理を夫に伝授した。

いざ介護が始まって“なんで作ってくれないの?”と言うのは違うんじゃないかなって。数年かけて、野菜スープと薬味たっぷりのそうめんの2品が作れるよう“夫教育”をしました。これで、私の介護食は安泰です(笑)

 いわゆる“終活”としては、家具を増やさないことを決め、持ち物も最小限に。必要以上のものは譲ったり、バザーに出すなどして整理した。元気でまだ若いと思えるときから、終末期を想像しての準備は悪くないと考える。

最近、お仕事先でも“足元に気をつけてください”と声をかけてもらう年齢になって(笑)。でも、言ってもらわないと確かに転んでしまうかも。“そんな年じゃない”なんて思わず、最期まで素直に“ありがとう”と言える人生を送りたいと思っています

取材・文/河端直子

大場久美子
'73年に子役として舞台デビュー。ドラマ『コメットさん』のほか、アイドル歌手としても人気を博す。心理カウンセラーなど100以上の資格を持つ。公式YouTubeチャンネル「大場久美子のクーミンChannel」はほぼ毎日配信中。