3位は反町隆史からEXILEのAKIRAが鬼塚役を引き継いだ第2期『GTO』('12年 フジテレビ系)。やはり破天荒教師の王道モノは強いということか。「初代反町版が面白かったので見たが、これはこれで楽しめた」(京都府・47歳女性)など前作への郷愁を含め、『GTO』の世界観自体を懐かしんだ人も多かったよう。
友情・努力・勝利のジャンプの世界
4位の『チア☆ダン』('18年 TBS系)は広瀬すずが主演した同名映画の後日談。土屋太鳳、佐久間由衣、山本舞香らがチアダンスに情熱を懸ける青春群像ドラマだ。「バラバラだった部員たちがチアを通して一つになっていくのが青春って感じ」(愛知県・49歳男性)という意見が。
「これはもう友情・努力・勝利のジャンプの世界。『ウォーターボーイズ』や『ROOKIES』などチーム男子の学園ドラマはたくさんあるけど、チーム女子という点が新鮮でした。役者さんたちもダンスを練習しながら撮影しているので、ドラマとシンクロして友情が深まっていく様子が感動的でしたね」(カトリーヌさん)
5位にランクインしたのは有村架純演じる教師と中学生の教え子との禁断の恋を描いた『中学聖日記』('18年 TBS系)。「今の時代でどうやって生徒と教師の恋愛を描くのかドキドキしながら見ていました」(埼玉県・45歳男性)
「生徒役の岡田健史(現・水上恒司)くんのデビュー作。岡田くんがまったく中学生に見えなかったんですけど、それが逆によかった。本物の中学生がやってたら生々しすぎて、まるで印象が違ったと思います。脚本も演出も女性だったし、地方が舞台で映像的にも美しくて、テーマのわりにさわやかな後味の残るドラマでした」(カトリーヌさん)
ほかに特殊な学園ドラマとして、8位に入った『35歳の高校生』('13年 日本テレビ系)のように大人が異物として学校に加わるタイプの作品も。
「規格外の教師の代わりに規格外のクラスメートというパターンですね。スクールカーストがテーマになっていて、一軍のリーダーが菅田将暉さんで陰の支配者が山崎賢人さんと生徒役も豪華でした。米倉涼子さんの制服姿が本当に素敵で、キレキレでしたよね」(カトリーヌさん)
こうして30年あまりをざっと振り返ると、学園ドラマが多様化しているのがわかる。熱血教師が生徒たちを導くという'70、'80年代の学園ドラマブームを皮切りに、今では恋愛、スポ根、群像劇、社会派、コメディー、ミステリーなど学園を舞台にさまざまな世界が描かれるようになった。
「熱血教師からイケメンが並び立つチーム男子の時代を経て、『女王の教室』が投げかけた冷血教師という新たな切り口が現在へと続いている。10代の大きな問題としてイジメや自殺というのは変わらずあるのですが、SNSの普及でより複雑化し、可視化しづらくなったことが、学園ドラマの過激な設定へとつながっているのかなと思います。
今放送中の『最高の教師』もそうなると思いますが、言いたいことは共通していて、『いいかげん目覚めなさい』ってことだと思うんです。問題に向き合う強さを身につけなさいという、そこはずっと変わらない。学園ドラマは時代と世相を反映し、変化しながら続いていく。でも、ヤンキーは不滅みたいな(笑)、そういった流れが続いていくと思います」(カトリーヌさん)
取材・文/蒔田陽平
カトリーヌあやこ 漫画家&テレビウォッチャー。著書にフィギュアスケートルポ漫画『フィギュアおばかさん』(新書館)など