「私自身、訳がわからないところがありました」
と、宮崎駿(「崎」はたつさき)監督がコメントした自身の最新作『君たちはどう生きるか』。事前PRはなし、発表されたのはタイトルとポスタービジュアルと公開日だけ、という異例づくしのスタートだった。
しかし蓋を開けてみると、公開4日目で興行収入は'01年公開の『千と千尋の神隠し』を超えるという、まさにロケットスタート。だが、映画館に足を運んだ人たちの評価というと、歓喜とダメ出しが入り交じった賛否両論の渦。評価は真っ二つに分かれているが、これまでも宮崎作品では評価が分かれたことも多かった。
そこで今回、『宮崎駿作品で“がっかり”と感じたものは?』という、ちょっとイジワルなアンケートを実施。ジブリに限らず、宮崎監督が手がけた長編映画15本について、全国の30歳~60歳までの男女、600人が下した“審判”とは─。
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まず、いちばん多かった答えは、「当てはまるものはない」で354票。なんだかんだ言っても、みなさんは宮崎作品が好きなんですね。しかし、そんな中でも32票を集めた「がっかり」作品の第1位は、『コクリコ坂から』。
16歳の少女と17歳の少年の愛と友情のドラマと、由緒ある建物をめぐる騒動を描いたもの。宮崎駿が脚本を担当しているが、ファンタジー要素がない。そんなこともあってか、
「いつものジブリのテンポや語り口を期待していたせいか、凡庸さを感じてしまった」(東京都・48歳女性)
「盛り上がる場面もないし、見ていて鬱屈とした気分になった」(京都府・47歳女性)
「ストーリーの意味があまりわからなかった」(三重県・48歳女性)
といった声が。意外だったのが、第2位に29票で続いた『ハウルの動く城』。少女と魔法使いの恋を通して、生きることの楽しさや愛することの喜びを描いた、バリバリのファンタジー。
木村拓哉のハウルの声が
「話の内容を1度で理解できなかった」(福岡県・43歳女性)
「どこがイケてない、ということではないけれど、見た印象が残っていない」(埼玉県・46歳男性)
という声の中に、
「ただただ、ハウルの声が嫌いだった」(大阪府・39歳女性)
「木村拓哉が好きではないので、彼が担当したハウルの声が鼻についた」(東京都・44歳女性)
なんて、作品ではなく声のキャストの好き嫌いで判断する人も。そういえば『君たちはどう生きるか』も、「1度見ただけではわからない」という意見があったし、キャストにキムタクの名前も……。これは先行き不安の要素になる!?