HYDEが語っていた“背中のタトゥー”の意味

「強い生命力を持ち、種によっては死をもたらす程の強い毒を持つ“蛇”は、古来から『畏怖』『信仰』の象徴とされてきました。日本の神話に登場してくる蛇と言えばヤマタノオロチが有名ですよね。また、干支における巳(ヘビ)の持つ意味の一例としては、『探究心』と『情熱』の象徴でもあります。このような背景から、タトゥーのデザインとしては、誕生、再生、変化、護衛、情熱、神秘などの意味を込める場合が多いです」(タトゥースタジオのスタッフ)

7月29日に『男鹿ナマハゲロックフェスティバル』に出演したHYDE。桃色ドロシーと(桃色ドロシー・キシベのツイッターより)
7月29日に『男鹿ナマハゲロックフェスティバル』に出演したHYDE。桃色ドロシーと(桃色ドロシー・キシベのツイッターより)
【写真】蛇、茨、花…HYDEの身体に刻まれた大量のタトゥーにがいかつすぎる

 また背中にはもともと「自由」「上昇」「夢」などの意味が込められることの多い“羽根”のデザインも彫られているようで、その意味についてもHYDE自身が言及している。アメリカで創刊50年以上の音楽カルチャーメディア『Rolling Stone』の日本版公式Twitterで、2016年に公開された「HYDEをより理解するための6つのキーワード」という記事の中で、背中のタトゥーについてこう語っている。

もしも何でも自由にできるとしたら、僕はたぶん空を飛ぶと思うんです。羽根って、自分にとってそういう憧れの象徴に近いのかな。曲名に使ったりもしていますが、モチーフとして使いやすいっていうのもありますね。背中に羽根の刺青を入れたのは、美しさもあるけど、夢もあるから好きなんだろうなと思うんです」(※現在、記事は削除)

 羽根のデザインを決めた経緯については、

刺青を入れる時、5年くらい絵を探したんです。羽根の絵って、内側はたくさんあるんですけど、外側はあまりなくて。当時インターネットもまだ普及してなかったので、『羽根の外側を送って』って、ファンクラブで公募したんですよ。たくさんきたけど、ぜんぜん気に入ったのがなかった

内側でも自分のいちばん好きな羽根はどれかって探したら、ルーブル美術館にある『サモトラケのニケ』だなって。でも、あれも外側はなくて、ハリボテなんです。じゃあ自分で作るしかないと思って、ニケのミニチュアの像を買ってきて型取りをしてね。自分なりに想像して絵を描いたんですよ。それをそのまま転写して、刺青を入れてもらったんです

 なんと自身でデザインしたというのだ。また、こだわりについても、

僕の羽根は一部欠けてるんですけど、ニケの羽も欠けてるからなんです。ニケは勝利の女神なので、すごく縁起がいいな、とも思って

 さすがはアーティスト、タトゥーにも並々ならない思いを込めて彫っているようだ。昔から変わらぬ美貌の一方で、増え続けるタトゥー。今後どのようなデザインが増えていくのだろうか?