日大アメリカンフットボール部の“大麻汚染”報道は、まだまだ収まらなさそうだ。
「8月5日、覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反の疑いで3年生の北畠成文容疑者が逮捕されました。大学がアメフト部の寮で植物片を発見してから警視庁に届け出るまで“空白の12日間”があったことに対して、疑問の声が上がっていましたが、8月8日に行われた会見で、林真理子理事長は隠蔽の意図について、否定していました」(全国紙社会部記者、以下同)
日大は北畠容疑者が逮捕された5日からアメフト部を無期限の活動停止処分としたが、5日後の10日に“個人犯罪”だとして処分を解除。ところが、ほかの部員も一緒に使用していた疑いが浮上。
「北畠容疑者の供述から、ほかの部員の関与も疑われたため、警視庁は3日に行った最初の捜索に続いて、22日に2度目となる寮への家宅捜索を行いました。別の部員4人から任意聴取をするなど、捜査を進めています。ただ、逮捕から時間もたっており、違法薬物の現物や関与が疑われるものをいつまでも持っているということは考えにくい。新たに立件されるかは不明です」
昨年に大麻使用が発覚
8日の会見で、日大は昨年11月に“大麻のようなものを吸った”と自己申告した部員がいたことを明かした。警察に相談したが、立証が難しいため、厳重注意のみだった。
「自己申告をした部員はすでに卒業した人物のようです。“警察に相談した”と明かしていましたが、薬物部門に関係のない日大OBの警察官に相談しただけ。もみ消そうとしていたと言われても仕方ありません」
そんな中、現役部員が関わる大麻についての新たな“疑惑”を独占キャッチした。アメフト関係者はこう語る。
「昨年、部員の1人が寮内で大麻を使用していたことが発覚しました。地方出身で寮生活をしていたその部員は退寮させられましたが、処分はこれだけ。会見で大学側が説明した、自己申告した部員とは別の部員です。退寮の処分を受けた後も活動を続けていて、今年の春に行われた試合のメンバー表にも名前が記載されていました。日大は現役部員が関わっているこの件も隠蔽するつもりなのかと」
すでにほかの部員の関与についての捜査はされているが、この大麻使用疑惑での退寮が事実であれば、昨年の時点で現在も在籍する部員の薬物使用を認識していたことになり、「現役部員の薬物使用は1人だけ」とした大学側の説明に疑問が残ることになる。
日大広報課にこの件について確認したところ、
「捜査に影響を及ぼすため回答を差し控えさせていただきます」
という返答だった。
8月8日の会見で澤田康広副学長は、
「多数の者が関わっていたというのであれば、廃部を前提に考えなければならないと思っています」
と話していたが、このままでは、廃部も視野に入ってしまうのでは……。
'18年、関西学院大学との試合中に発生した“悪質タックル問題”で公式戦への出場資格停止。不祥事を乗り越え、'20年には大学日本一を決める『甲子園ボウル』に3年ぶりに出場するなど蘇ったかに思えたが……。“不死鳥”はついに墜ちてしまうのか。