「容疑者は500キロメートルも離れた福岡県北九市まで逃走していたのです。そこにはかつて交際していた女性が住んでいて身を寄せていたが、防犯カメラの映像などから特定されたわけです」(前出・社会部記者)
グエン容疑者は、警察の取り調べに対して、
「身に覚えはあるが、殺そうとは思っていなかった。逮捕容疑の内容が少し違う」
と一部、容疑を否認しているという。
29日、逃走中のグエン容疑を自宅にかくまったという犯人蔵匿の疑いで元交際相手のベトナム人女性、ヴ―・ティー・ラン容疑者(22)も逮捕された。警察の取り調べに、
「“北九州で仕事がしたい”と連絡があり、友人と大阪駅まで迎えに行った。事件はその後にネットニュースで知ったが、1日だけ家に泊めた」
などと供述している。
なぜグエン容疑者が警官の職質から逃走したのか。
家族に仕送りができなくなるから逃げた
「容疑者は去年4月に来日。技能実習生として、北九州市の建設会社で働いていた。滞在期間は今年の4月までだったが、それ以前に行方不明になっている。どこにいたのか、就労していたのかはまだ明らかになっていないが、滞在期限が切れていたため、その発覚を恐れて逃げたのでしょう。大阪は土地勘がないため、知人を頼ってきたのではないか」(前出・捜査関係者)
グエン容疑者のほうも、
「逮捕されたら、家族に仕送りができなくなるので、必死に逃げた」
と動機を語っているという。いま、ベトナムの家族は金に困る以上に、彼の犯罪と逮捕をどれだけ悲しんでいるだろうか。