企業や役所ではHBが活躍
こうした利点が「ママ友」の口コミで広がり、小学生の間で2Bが主流になっていったとみられている。
ではHBに存在意義がなくなっているのだろうか。ぜひ復権してほしいものだが、意外な「活躍」が聞けた。
「会社などでも事務用に限っていえば、2022年にHBのシェアは46%あります。一方、2Bは25%です。この数字を見るとHBは活躍してくれていますね。
また、国政選挙の投票所で投票用紙に書き込む際に使用されている鉛筆もHBなんです。役所でも使用されているのはほぼHBです」
HBに限ったことではないが、鉛筆は災害備蓄品としても重宝されている。インクタイプのペンだと、保管している間に中のインクが固まったりペンの先端が乾燥したりして、いざというときに使用できないことがあるそうだ。
「しかし鉛筆はそういった劣化の心配がほとんどありません。先を削ればすぐに使用できますから備蓄には向いているんです。鉛筆には無限の可能性があります」
鉛筆愛に満ちたトンボ鉛筆広報部である。
そして「子どもが初めての筆記具に鉛筆を使うメリット」についても教えてくれた。
「鉛筆は安価で丈夫、誰でも説明なく使えますから、言ってみれば『すべての筆記具の持ち方の基本』が学べます。
また『芯を研ぐ(削る)』といった手入れが必要ですから(ナイフや鉛筆削りなど)道具の使い方も覚えられます。
そして書いた文字を消しゴムで消すことができるので『やり直しの連続』である子どもの学習には最適だといわれています。手書きは常に、脳を鍛えます」
久しぶりに鉛筆を使いたくなった。