区の教育委員会と区長の暴走に、自民党以外の区議からも戸惑いと不快感を表す声が上がっている。
区議が知ったのも記者会見の10分前
「区議のみなさんが今回の件を知ったのは、区長の記者会見の10分前だそうです」
と憤るのは、3代続く港区民で中学生を筆頭にした3児の母のAさん。今回の件について区民の声を聞くことが先決だと、ある区議からアンケート集計を依頼された人物だ。
「港区在住の小学校高学年から中学生の子を持つ保護者を対象に、シンガポール修学旅行について、賛成・反対・どちらでもないの三択で、それぞれの意見を書いてもらいました」(Aさん、以下同)
100人を超すアンケートの結果は「賛成」と「どちらでもない」が同数、反対はゼロだったという。さすが港区と思うところだが?
「保護者としては、子どもたちが喜ぶなら行かせたい気持ちもある。だから渋々賛成の立場を取っているのだと思います。賛成票を入れつつ、回答をよく読むと、かなり批判的な内容が目立ちます」
その具体的な内容を聞くと、「独身の納税者から子育て層はずるいと思われたくない」「ポイ捨てで罰金、など法制度の厳しい国に連れて行くのは心配」「やっぱり高いので予算の見直しは必要だと思う」「予算の優先順序として他に使うべき部分があるのでは」など。「行かせたいがパスポート代などの出費がツラい」という意見もあった。
「どちらでもない」と答えた保護者は「迷っている」「モヤモヤしている」という理由がほとんどだったそうだ。
Aさんは、港区ならではの背景もあると明かす。
「こういう区ですから、シンガポール行きに大っぴらに反対して、ママ友から貧困層だと見下されたくないという意識もあります」
見栄を張っての「賛成」票もあるとすると、「どちらでもない」は実質「反対」なのだろうか。
「そこまでは言い切れませんが、富裕層の多い港区とはいえ、もちろん全員が裕福なわけではありません。各家庭の負担は今までどおりの7万円だといいますが、その7万円が払えない家庭もあります」