タレントにもファンにも、再考の機会を与えることが、再生への“楔”となるかもしれない。が、アイドル帝国の崩壊は着実に進行していると話すのは、とある芸能プロ関係者のマネージャーだ。

King&Princeの分裂をはじめ、三宅健さん、IMPACTorsなど、所属タレントが次々と移籍している。こうした動きはさらに加速していくはず。実際に9月21日にA.B.C-Zの河合郁人さんがグループ脱退を表明しましたが、グループに残ったメンバー4人は滝沢秀明さんの芸能事務所『TOBE』へ移籍するという話も聞こえています。タレントが減少すれば、そのファンも離れていくわけですから」

 既存タレントの移籍を、どれだけ踏みとどまらせることができるかも重要だ。

補償の問題点

 3つ目の課題は、被害者の救済についてだ。

 元ジャニーズタレントで性加害の被害者だったと打ち明ける男性は、次のように話す。

「補償額は一律になると思っています。なぜなら、性加害のほとんどは、ジャニー氏の自宅で行われていたため。被害者が何年何月何日に来て、何をされたのか。それを証明する方法がないのです。実際には被害に遭っていない元ジャニーズたちが“どうせバレないから”とお金欲しさに被害の申請をしているという話も聞きました

 性被害に遭った回数など、その程度に応じて支払われない可能性があるということなのか。被害の申請フォームには、性加害により受けた影響を記す箇所もあるが、この点にも問題があるという。

「性被害による影響は、自身では気がついていないこともあります。逆をいえば、過去に不眠やフラッシュバックがあったとウソを言うこともできるわけです。どうやって適切な補償をするのか教えてほしい」(同・被害者の男性)

 被害者への救済がないまま、再スタートは許されない。帝国の行く末は─。