目次
Page 1
ー 会社の名前を決める権限は、その会社にある
Page 2
ー テレビ局もまたジャニーズのように越権行為
Page 3
ー 負の清算が済んでいない企業にお金を落とす
Page 4
ー マス層におもねる“メジャー志向”の表れか
Page 5
ー セカンドレイプと言われても仕方がない
Page 6
ー 中野美奈子に送ったマウント手紙
世の中には「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」だけでなく、「ヤバい男=ヤバ男(ヤバダン)」も存在する。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、芸能人や有名人の言動を鋭くぶった斬るライターの仁科友里さんが、さまざまなタイプの「ヤバ男」を分析していきます。

第31回 ジャニーズ問題

 9月7日に会見を行ったジャニーズ事務所ですが、性加害を事務所として認めたこともあって、CMの打ち切りが決まるなど、波紋が広がっています。うまい着地点が見つけられないのは、喜多川氏が他界していることと無関係ではないと思います。氏が存命の時であれば本人が責任を取ったことでしょうし、事務所自体も大バッシングは受けたことでしょうが、法律に基づいて、被害者の救済や新体制への移行をするという意味の明快さもあったはずです。しかし、喜多川氏亡き今、ジャニーズ事務所は自分たちで、被害者と世間サマが納得する“落としどころ”を見つけなくてはならず、そのために、迷走しているように見えてなりません。

 迷走しているのは、事務所だけではありません。この問題に関するテレビ局や、芸能人のコメントを見ていると、その人の「基本的な価値観」が透けて見えるような気がするのです。そこで、今回はジャニーズ問題に関するヤバ発言トップ3をあげてみたいと思います。

 まずは、25日の社長定例会見で、ジャニーズ事務所に対して社名変更を求めた日本テレビ

会社の名前を決める権限は、その会社にある

 はっきりした物言いを評価する人もいるでしょうが、私は却ってテレビ局と芸能事務所のズブズブさ加減を思い知らされた気がしたのでした。ジャニーズ事務所に限らず、大企業が不祥事を起こすことは時々ありますが、その時に、取引先が「名前を変えろ」なんていうのを聞いたことがありますか? 私はありません。イメージが悪いから、あの会社は名前を変えたほうがいいと思ったとしても、なぜ直接言わないのか。それは会社の名前を決める権限は、その会社にあるからです。