中野美奈子に送ったマウント手紙
中村と言えば、元フジテレビアナウンサーで、同期がいます。中野アナは高島彩と共に、女子アナ王国フジの黄金期の立役者として大活躍しましたが、中野の著書「ミナモトノミナモト」(幻冬舎)によると、中村は入社直後に「10年後の美奈子へ」という手紙を書いて、こっそり中野のデスクに忍ばせていたそうです。この手紙をフジテレビ退社直前の中野が見つけるのですが、内容がなかなかエグい。「22歳の美奈子は今日も元気だよ。そして大分滑舌が良くなってきたけど、まだまだかな。未来の美奈子はちゃんと濁音と鼻濁音の区別がついている!これからアナウンス人生がはじまるわけだけど、今わたしの横にいる美奈子は何も知らないで笑っています(以下略)」と婉曲に「おまえ、気づいてないかもしれないけど、下手くそだからな」と指摘している。これくらいの競争心がないと、キー局の女子アナにはなれない、仕事がもらえないのかもしれませんが、同期にすらマウントをとらないといけない世界にいるのなら、競争に敗れた人、傷つけられた人の気持ちを考えてみることは難しいでしょう。
テレビ局は自らを振り返らずに上から物を言い、タレントは人気者におもねったり、踏みつけたりする。子どもに対する人権侵害が問われているのに、芸能村は今でも「どちらか強いか、どちらかトクをするか」という、人権と反対の理論で動いているように思えてなりません。この問題のゴールは相当遠いことが予想されるのでした。
<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」