「首に入れ墨のあるおニイさんは見かけたことがあります。表情は覚えていません。絡まれたら怖いので、目線を合わせないようにしましたから」
と話すのは事件現場近くに住む女性。
千葉県柏市のマンション自室で倒れていた齋藤瑞希さん(24)が9月23日夕方に救急搬送され、約3時間後に病院で死亡が確認された。
その約2週間前の9月10日午前0時10分ごろからおよそ20分間にわたり、齋藤さんの顔などを複数回殴ったなどとして県警柏署が傷害の疑いで逮捕したのは、同居する自称・自由業の小松魁人容疑者(22)。首筋にアルファベットと波のような紋様を組み合わせたタトゥーを彫り、イカつい風貌で街を闊歩(かっぽ)する男だった。
自ら女性を殴っておきながら、「24歳の女性が室内で倒れていて意識がない」と119番通報。
県警柏署によると、暴行を加えてケガを負わせたことは認めている。
地元関係者らによると、自由業といっても実態はフリーターそのもの。柏市内でキャバクラのボーイをしていたが、超のつくトラブルメーカーで長続きしなかったという。
“ヤバい奴”だから注意しろ
「茨城県土浦市から来たらしく、柏市のほうが東京に近いため、ナメられないようにイキっていたみたいですよ。店にさんざん迷惑をかけて悪いとも思わない。スタッフとも揉めるし、“ヤバい奴”だから注意しろと警戒されていたんです。まさか、こんな事件を起こすとは思いませんでしたけど」
と地元の飲食店従業員。
元キャバクラ勤務の20代女性は、
「女性を殴るなんてサイテーだと思う。キレると見境がなくなるらしく、男性スタッフでも止められないって。こういう男にかかわってはいけなかった」
と残念がる。
事件現場となったマンションは駅に近い物件。家賃10万円前後の1LDKでセキュリティーがしっかりしている。
同マンションの住人は、
「このあたりは夜間も比較的静かなんですが、男女の言い争う声や大きな物音を聞いた記憶はありません。容疑者の暴力が原因で体調に異変が生じていたならば、なぜ病院で診察してもらわなかったのでしょうか。手をこまねいたまま、じわじわと死に向かった被害女性が気の毒でなりません」
と淡々と語るだけだった。
一部報道によると、小松容疑者は暴力を振るった動機について、
「昔の彼女に戻ってもらえるよう目を覚ましてほしかった」
といった趣旨の供述をしているという。
まるで被害者に非があるかのような言い分には呆れるばかり。いかなる理由があろうと暴力は許されず、責任逃れも甚しい。
「司法解剖の結果、死因は不詳だった。被害者は顔面や上腕など全身にアザがあった。解剖結果や被疑者の取り調べなどで判明した事柄を踏まえ、死亡との因果関係などを調べていく」(捜査関係者)
あまりに短すぎる命の終わり。なぜ、痛々しい最期を迎えることになったのか、空白の2週間の動向を含め事件の全容解明が待たれる。