デジタルとアナログどちらも必要な理由

 デジタルであふれている現代だからこそ、アナログなものを改めて見つめ直したいと思わせてくれる作品。二宮自身に“アナログ”へのこだわりがあるかを聞くと、

お皿かな。機械で作ったものが悪いということではないですが。陶芸を教えてもらった先生に“人生の中でこれは誰にもマネできない、俺しか作ることができないと思う1つの皿を作ることは実は誰にでもできる。でも、手に取る人が『これ!』と思う、重ねて保管のできる同じような4~5枚の皿を作れるようになってからが一人前”と言われたんです。

 地味だけど、面白くないんだけど、 それができないと一人前とは言えない。昔の考え方かもしれないけどねと、おっしゃったんですけど、まさにお芝居もそうだなと思って。誰もやったことのないような表現、例えば、発狂して泣いて、みたいな演技よりも、ふつうに座って、ごはんを食べて、友達と話すみたいな、一見すると地味で、達成感を感じにくいかもしれないことのほうが難しい。

 ただ、どっちも必要なんだと思うんです。デジタルが進化すればするほど、そうじゃないほうを見つめ直すきっかけになる。進歩に嘆いたりせず、認めた上で、手を握ることがうれしいというアナログなものへの感情があることも忘れないでいたいです

A型の特徴が発揮された蕎麦打ち

 教えてくださった先生から手つきがいいと褒めていただけて。陶芸と似た感じだったので「懐かしい」とか言いながら打っていました。血液型がA型なので、切るときもとにかく細く切る主義。波瑠ちゃんから「わたしのほうが下手みたい」って言われたりして。食べましたよ、自分で打った蕎麦。僕と波瑠ちゃんの打った蕎麦の残った分は監督にプレゼントして持って帰ってもらいました。

『アナログ』10月6日(金)公開

ヘアメイク/竹内美徳・スタイリスト/福田春美