その一方、目黒蓮などとも一緒に仕事をし、Hey! Say! JUMPやSexy Zoneのバックで踊った。今度こそスターへと駆け上がるはずだった。が、田中の人生は再び暗転する。
「アイツにヤられて俺の性が狂った」
副業が禁止されているジャニーズタレントの田中が、LGBTタウンで知られる東京・新宿2丁目のバーで働いていることを、2014年に週刊女性が報じた。それに追い打ちをかけるように、別の週刊誌が《“ゲイ”カミングアウト!》の見出しで、田中の性的指向を公にしたのだ。
「報道後、3か月の謹慎処分と言われましたが、どれだけ待っても連絡はなくて……。マネージャーに連絡すると“仕事はないから”と言われました。事実上のクビですね。僕にとって、この週刊誌報道が一番の被害でした」
周囲から“ゲイ”と言われ、家族も笑いものにされた。妹はいじめに遭い、高校を中退。田中も精神的なストレスから、一時は通院していたという。
「現在の僕の性的指向は男性も女性も好きになれるバイセクシュアルなのですが、今のようにLGBTへの理解もなかった時代でしたから、報道後は“ゲイ”や“ホモ”だと差別され、笑いものにされました。なので当時はジャニーさんを恨みました。“全部アイツにヤられて俺の性が狂ったからだ、クソじじい”って」
あれから9年。時は流れ、人との出会いから受けた傷も癒されてきた。記憶も薄れ、今はまた違う思いを持つ。
「事務所やジャニーさんには、すごく感謝しています。いろんな仕事をやっていけるのも“元ジャニーズ”という肩書があるから。被害を受けた元ジャニーズの友人も同じように感謝している。なので、声をあげない被害者もいっぱいいるはず。逆に忘れかけていた嫌な記憶を、報道で思い出して苦しんでいる友人もいます。NGリストを追及して、何になるんですか。被害者は、僕たちなんです。だからこそ、1日も早く、この騒動が収まることを願います」
田中が明かしたのは、これまで語られなかった被害者たちの本当の思いだ。