「コロナ禍以降、新規契約者が約2倍に増えました。たくさんの方に野菜作りをお楽しみいただいています」
と話すのは、全国に貸し農園を展開するシェア畑運営事務局の広報担当。
カジュアルにできる貸し農園が人気
庭や畑はないが土いじりがしたい、自分で野菜を育ててみたいといったニーズを受け、農業体験がカジュアルにできる貸し農園が人気だ。
耕作放棄地や遊休地などを整備して用意された区画を利用者が月額利用料を払って区画をレンタルする。
利用料は場所によって異なるが、例えば神奈川県郊外にある農園では3~10平方メートルの区画が月に7000~1万円ほど。アドバイザースタッフのサポート付きなので初心者も安心だ。
「子どもが大きくなって手が空いたというご夫婦や、定年後にひとりでできる趣味を持ちたいとおっしゃる単身の方、お孫さん含めて3世代で利用しているケースも。
利用者さん同士が農園で顔見知りになり、交友関係が広くなったという声をお聞きしますね。利用者様を対象にワークショップなどのイベントも農園では行っています」(シェア畑広報担当、以下同)
土づくりから始まる野菜作りは無農薬。太陽の下、健康的に汗を流し、たとえ形や大きさが不ぞろいでも無事に収穫できたという達成感は格別だ。
「食に対しての意識が変わる方も多いようです。育ちすぎてかたくなったソラマメや間引いた菜っ葉など、スーパーで出合えない野菜の意外な調理法が美味しかったりといった発見も。
たくさん収穫できたときは周りにおすそ分けして喜ばれるのも醍醐味ですね」
定年後、家にこもりがちだった夫が外に出て積極的に身体を動かすいい機会となったと、話す人も。野菜をほったらかしにするわけにはいかないので、定期的に畑に通ううちに、自然と体力がつき、やりがいにもなっているようだ。
「そんなに広くない区画でも鍬(くわ)で耕すのは相当な運動量」と明るく話していたそう。