「最初に作品の話を聞いたのは、“カノキレ(主演ドラマ『彼女はキレイだった』)”が終わったくらいでした。ド・ラブストーリーの“カノキレ”が終わって、今回のような社会派サスペンス作品のお話をいただけた。あいだに映画『ラーゲリより愛を込めて』の撮影を挟んでいるのですが、ネクストフェーズに突入した感覚になりましたね」
映画『おまえの罪を自白しろ』で主人公を演じる中島健人
映画『おまえの罪を自白しろ』で、主人公の宇田晄司を演じる中島健人。政治家一族の宇田家に、孫娘を誘拐した犯人から「明日午後5時までに記者会見を開き、おまえの罪を自白しろ」という要求が届く。内閣府副大臣の父・清治郎が犯した罪とは何かを探りながら、家族の命を救うために父の議員秘書を務める晄司が奮闘する。
「実際に衆議院予算委員会に行って傍聴してきました。そのあと、議員秘書の方とお会いして、議員の部屋にも通していただけて。書斎のデスクの上には、ものすごい量の書類がありました。日々、これだけの問題量に追われているんだなと思いましたね。そのひとつひとつに関わっている秘書の方の膨大な責任を感じることができたのは、(役作りへの影響が)大きかったです。僕は、ちゃんとスーツを着て行ったのですが、マネージャーさんはカジュアルな服装で。“やっぱりスーツで来ると思いました”と言われて“そりゃ、そうでしょ。スーツで行くよ”って(笑)」
家族にも権威をふりかざす父に疑問を抱きながら、議員秘書を務めている晄司。
「晄司の気持ちは、すごくよくわかります。彼のような若者が抱く鬱々とした気持ちを、正直、僕も持っている。そして、それが爆発した瞬間に、ものすごいエネルギーを生み出すことも知っている。だから、晄司の気持ちを理解したまま、一番の理解者として彼を演じられたかなと思っています」
自身の中にある“鬱々としたもの”が何なのか尋ねると「もっとこうしたかったという欲が強い」と答える。