大統領との面会では

 大統領と面会された際は、眞子さんが以前着用していた若草色の振り袖をお召しに。

「皇族時代の眞子さんのお召し物は、緑が多かった印象です。緑は樹木の色で、一般的にも安全や安心といった言葉と結びついて使用されますよね。佳子さまにとって、お姉さまから引き継がれた“緑の装い”は、心でつながっている安心感を得ることができるアイテムなのかもしれません」

 佳子さまは、記念式典でも秋篠宮ご夫妻や眞子さんから、ペルーの思い出を聞いていたことに触れられた。さらに、

「家にはペルーの本やアルパカのぬいぐるみがあり、ペルーの音楽を楽しむ機会も多くありました」

 とスピーチされた。アルパカのぬいぐるみは、ご一家にとって大切な宝物だといい、

「おそらく殿下が、過去にペルーを訪れた際にお土産として購入されたものでしょう。殿下は国内外問わず、各地で動物のぬいぐるみをお買い求めになります」(秋篠宮家関係者、以下同)

 それらは、思わぬ形で使用されているようで……。

「眞子さんの結婚後、秋篠宮家の食卓では、それまで眞子さんの席だった椅子にぬいぐるみが置かれるようになりました。眞子さんがいなくなった寂しさを埋めるかのように、ぬいぐるみは一定期間で交換されていて、そのひとつに、アルパカのぬいぐるみがあったのだと思います」

 眞子さんの存在を感じるためのキーアイテムともいえる。

「だからこそ佳子さまは、スピーチでぬいぐるみの話題を出されたのでしょう。眞子さんの結婚から2年、ご両親と姉妹の間に生じた溝は今なお埋まりません。ペルーで積極的にご家族の話に触れられたのは、ご両親と眞子さんの橋渡し役として関係修復を図るという“裏テーマ”があったからではないでしょうか」

 日本とアメリカ、そしてペルー。遠く離れた地で家族は“ひとつ”になれただろうか。

青木淳子 歴史文化学研究者。大東文化大学やフェリス女学院大学などで非常勤講師を務め、著書に『近代皇族妃のファッション』(中央公論新社)など