旧ジャニ不在を感じさせない布陣

「旧ジャニーズ不在の中でどう構成するかという課題があったと思いますが、非常に考え抜かれた印象があり、お見事だなと思いました」(まつもと氏、以下同)

 そこには、こんなNHKの思惑が感じられたという。

「旧ジャニーズの“穴埋め感”が強くならないようにしたのでしょう。同じカラーのアイドルから選出するのではなく、K-POPとバンドを新たに起用することで“旧ジャニーズが呼べなかったからこの人を入れたんだろう”などと思わせないようにしたのだと思います」

 K-POPの中でも、『SEVENTEEN』と『Stray Kids』に白羽の矢が立ったのはなぜか。

「『BTS』のメンバーが兵役やソロ活動中の今、次点といえるのが『SEVENTEEN』なんです。今年10月にリリースしたアルバムのセールスは、発売初週で509万枚を超え、歴代K-POPでトップになりました」

『Stray Kids』は日本でもドームツアーができるほどの人気があるという。

「日本デビューもしており、日本での実績もある2組が選ばれたのではないでしょうか。ただ、K-POPが苦手な層のために、紅組は『LE SSERAFIM』と『MISAMO』という、日本人メンバーが人気を集めるグループでバランスをとったのだと思います」

 複数のバンドが出場を決めた理由は?

「旧ジャニーズの中心支持層と近い、若年層を取り込む狙いがあるのではないでしょうか。さらに、ボカロPとしての実績もあるキタニタツヤさんや、『すとぷり』といった新しいタイプのアーティストも、同様でしょう」

 若年層中心にも見えるが、ほかのアーティストで幅広い年代をカバーしているそう。

星野源さんや福山雅治さん、藤井フミヤさんなどの安定感のあるアーティストや、演歌勢は、中高年にもウケる人選だと思います」

チェッカーズの初期作品を歌い、注目を集めつつある藤井フミヤ
チェッカーズの初期作品を歌い、注目を集めつつある藤井フミヤ