「2011年より毎年ツアーを行っていましたが、コロナ禍によって2020年と2021年に開催できませんでした。2年の間、歌うのはレコーディングのみと機会が減ってしまい、昨年は“高音が出ない”との心配もありました。でも、今年のツアーでは以前と変わらぬ歌声を披露して、見事にやり遂げました

 76歳として“史上最年長”の全国アリーナツアーを行った現役アーティストになった。年齢による衰えを見せない小田。今年の『クリ約』放送を断念した理由について、改めて所属事務所に問い合わせたところ、昨年と同様「ツアーによる多忙」との回答だった。

“日本版グラミー賞創設”

 ツアーと『クリ約』の両立は、どれほど難しいのか。11月22日には、自身の音楽人生が記された『空と風と時と 小田和正の世界』(文藝春秋)が出版されたが、そこには『クリ約』の舞台裏についても明かされていた。

2021年の『クリ約』に出演した矢井田瞳、JUJU、熊木杏里。豪華ゲストのコラボも見どころ
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番組の準備には、かなりの時間と労力がかかります。その年の春ごろから打ち合わせが始まりますが、小田さんの強いこだわりがあって、なかなか企画がまとまらない年もありました。曲のアレンジは小田さんが行っていましたし、リハーサルも妥協せずに何度もやっていました。小田さん本人の負担は相当なものでしょう」(TBS関係者)

『クリ約』にここまで熱を入れるのには、原点ともいえる思いがあるからだそう。

小田さんは1980年代に“日本版グラミー賞創設”の構想を練ったことがありました。以降も“アーティスト同士がお互いの楽曲を称え合う場をつくりたい”との思いを持ち続けており、それが番組の企画につながったそうです」(前出・音楽ライター)

 2021年の『クリ約』で小田は、「また会おうぜ!」と締めくくっていたが、まだ実現されていない。来年こそ、“クリスマスの約束”が果たされることを待ちたい。