「『もう代われ』といった批判は分かるが、企画力はどうか、国境離島新法を作り、高速道路整備を推進した結果を見てもらえば私が負けるわけがない。問題だと思ったらそこに向かってまっすぐ進み、交渉に交渉を重ねて一歩でも近づく努力をすることが政治家に必要な能力だ」
先の2021年の衆院選では80歳になる高齢だけに、他の候補者から“引退”を進言されながらも、自身の実績をアピールしつつ「私が負けるわけない」と、“自分こそ政治家にふさわしい”とでも言いたげだった谷川氏。
次点とは2000票差のギリギリ当選
確かに選挙では負けなかった。ところが5万7000票の得票に対して、次点の立憲民主党・山田勝彦氏(当時42歳、比例代表で復活当選)は5万5000票とその差はわずか2000票。決して“楽勝”とは言えない、ギリギリ当選が有権者の判断だった。
「長崎3区の投票率は60%と全国平均を上回りましたが、さらに有権者が投票所に足を運べば落選したかもしれない立場にあったことを理解しているのでしょうか。
そして一躍、谷川議員を全国区にした裏金疑惑と“頭悪いね”発言です。岸田内閣への政治不信から国民の投票熱が高まっている中、“先延ばし”されている解散総選挙が行われた場合に長崎3区の有権者がどんな判断を下すのか、考えれば簡単にわかりそうなものですが」(全国紙・政治部記者)
12月12日の国会で姿を見せると、記者陣から「頭悪いね」発言の趣旨を問われて「申し訳ないです」とひと言で謝罪した谷川氏。今頃は不満やイライラを押し殺すように般若心経を唱えているのかもしれない。