帰国後に受け取ったほうが「お得」
大谷がカリフォルニア在住のまま、総額を契約年数で割った金額を受け取る一般的な形で報酬を得た場合、支払う税金はどの程度になるのか(1ドル145円で計算)。
「1015億円に対し、アメリカでの連邦税37%、カリフォルニア州の州税13・3%の合計50・3%の税率がかかるため、計約507億円の税金がかかります」
そう話すのは、岡野相続税理士法人の岡野雄志氏。
大谷は花巻東高時代に、卒業後の18歳から42歳まで1年ごとの目標を記している。思いどおりとなったものもあり話題となった“未来予想図”だが、それによると彼は、今回の契約をまっとうしたタイミングとなる“39歳で引退を決断し、その後日本に帰国する”としている。そうなれば、大谷は後払いの大部分を日本で受け取ることになる。この場合の税額は……。
「アメリカ国内で1015億円の3%にあたる29億円を受け取ることとなります。その場合、29億円に対して50・3%の税率がかかるため、計約14億円の税金がかかります」(前出・岡野氏、以下同)
では、後払い開始時にカリフォルニアではなく、計画どおりに帰国していた場合の税額は(今回は、米国で30%の源泉徴収が必要な場合を仮定)。残りの97%は日本円で986億円となる。
「986億円には日本での所得税の最高税率45%がかかるため、約443億円の税金が発生します。そこから986億円に対するアメリカでの源泉徴収額の約295億円を外国税額控除(国際間での二重課税を防ぐため、外国で支払い済みの税金を一定額控除する仕組み)すると、残りは148億円です。したがって、アメリカと日本で合計約162億円の所得税がかかります」
1015億円を一般的な契約で10年間で受け取るより、日本に帰国後に受け取ったほうが“お得”なわけで、
「結果、約348億円の所得税の差が発生することとなります」
やっぱり天才的?
(※税額はあくまで一般論として明らかになっている金額と税率を基に算出)