被害に遭ったたばこ店店主のその後の容態について、店主の親族男性は、

「いまは意識もはっきりして命の心配はしていません。殴打された後は気絶しましたが、最近は店の帳面をつけているみたいです」

 と話す。後日、店主本人にも会えたが、

「ケガの経過? あんまり大丈夫ではない。話はできない。事件のことはもう思い出したくないんだ」と表情を曇らせた。

強盗なんてすることなかったのに

 年の瀬、空腹に耐えられなかったという信じがたい犯行動機が判明した事件について、アパート周辺や地元商店街などから「強盗なんてすることなかったのに」との声が相次いだ。

「親族や友人、知人、近隣住民にお金を借りようとすればよかった。貸せなくても話は聞いてくれるだろうし、生活保護を受けたらどうかとアドバイスをもらえたはず。賞味期限切れすぐの弁当ならばどこかで貰えたかもしれない」(地元の商店主)

 逮捕時にはすっかり老けて、ひとまわり小さく見えたという。自宅アパートの実況見分に立ち会った宮容疑者は手に包帯を巻いていた。

 その様子を見た前出の女性住人は、「やっぱり小さくなりましたね。痩せた筋肉質だったのにガリガリのおじいさんになってしまった。結果として見守れなかったのが残念です」とつぶやき、近所の住民は「被害者のことを考えると同情してはいけないんでしょうが、お腹が空いて犯罪に走るなんてかわいそうな気もするんです」と話す。

 下町人情の残る温かい街で暮らしながら、なぜ最悪の選択をしてしまったのか。