そんな真風は、今年6月をもって宝塚を退団。トップスターの任期は概ね3年ほどと言われる中、5年7か月という長期政権を築いた彼女のお見送りは盛大に行われた。
「トップスター退団の際に恒例となっている“サヨナラショー”はもちろん行われ、『宝塚クリエイティブアーツ』が発行する専門雑誌『歌劇』6月号でも、『真風涼帆サヨナラ特集』が組まれました」(エンタメ誌ライター)
《お教室の電気が消えてから》
真風が表紙を飾ったこの号では、これまでの出演作を写真で振り返ると共に、演出家とのてい談や劇団員からの惜別のメッセージが掲載されている。亡くなったAさんも、真風への惜別の言葉を送っていた。
その中で、真風は芹香との稽古について、冒頭のように振り返っていたのだった。
また、宙組生からのメッセージで、天彩は次のように語っている。
《たとえお教室の電気が消えてからでも、穏やかな目を向けて下さり、時にユーモアを交えながら、大切なこと、そして前に進むエネルギーを沢山与えて下さいました。》
「当時はまだAさんが亡くなる前で、いじめやパワハラが表面化していませんでした。どれも“美談”として語られていますが、稽古中に棒を叩き折ったり、電気が消えてからの指導というのは異常ですよね。日常的にこのような高圧的な指導が行われていて、宙組の雰囲気がおかしくなっていったのでは、と疑ってしまいます」(前出・エンタメ誌ライター)
『歌劇』6月号では、ある演出家が真風のことを、
《真風涼帆は誰にも告げず語らず、様々な苦悩や想いを墓の中まで持っていく覚悟を持っている》
と評していた。
公演再開の目途が立たない宙組やAさんのためにも、真風の口から“真相”を語ってもらいたいものだ。