目次
Page 1
ー 美味しさだけの追求ではなく、カラダも喜ぶアイス

 

「冬アイスの次は……“春アイス”が来ます!」

 とある新商品発表会に登場した、今までに6万個以上ものアイスを食べている『アイス研究家』シズリーナ荒井さんはそう断言した。日本気象協会の発表によると、今年の2月から4月の平均気温は平年より高くなることから、アイスクリームなど“ひんやりお菓子”の需要が高まるというのだ。とはいえ、我々消費者にとっては「好きな時にアイスを食べるだけ」と別に関係のない話のように思えるが……。

「そんなことはありません。メーカー側もこの需要を見込んでいるため、春に注目のラインナップをそろえているんです」(荒井さん、以下同)

美味しさだけの追求ではなく、カラダも喜ぶアイス

 荒井さんがイチオシなのが、“低糖質プレミアム”アイス。アイス業界では、300円台のアイスクリームを“プレミアム市場”と定めているのだが、

「昨年は250円前後の“ミドルプレミアム市場”が盛り上がりましたが、今年は美味しさだけの追求ではなく、カラダも喜ぶアイスの市場が活性化すると予想しています」

 冒頭の“とある新商品”とは、江崎グリコが立ち上げた美味しさと適正糖質を両立するブランド『SUNAO(スナオ)』から新発売された新アイス『SUNAO Special』シリーズのこと。厳選素材と独自製法により、糖質を9.9グラムに抑えながらも、アイスの濃厚さをキープした味わいを実現しているという。※一般社団法人『食・楽・健康協会』は1食で摂取する糖質量を20グラム〜40グラム、間食では10グラム以下にする“適正糖質”を提唱している。

3月5日から一部コンビニエンスストアで発売中の新アイス『SUNAOSpecial』シリーズ
3月5日から一部コンビニエンスストアで発売中の新アイス『SUNAOSpecial』シリーズ

「糖質9.9グラムと言われてもピンと来ないかもしれないですが、一般的なアイスクリームの糖質の半分以下(同じ内容量で比較)。ダイエット中でも安心して食べられます」

 とはいえ、美味しくなければ意味がないが……。

「ダマされたと思って食べてみてください。味はバニラ、ラムレーズン、バニラ&クランチの3種類。味のごまかしが利かないバニラから食べてみたんですが、驚きました。むちゃくちゃ濃厚で、糖質オフなんて微塵も感じさせなかった」

『SUNAO Special』の開発期間は2年間で、試作を200回以上繰り返してたどり着いた味だという。

「しかも食物繊維は100グラムあたり6グラム以上。これは同量のゴボウやブロッコリーを越える数字であり、いろんな意味で満足感が高いアイスなんです」

 荒井さんが「カラダも喜ぶアイスの市場」として次に注目するのが“代替”アイス。原料の動物性ミルクを、豆乳など植物性ミルクに代替したアイスのことで、

「およそ7年前から開発されていたのですが、ヘルシーだけど豆乳のえぐみが前面に出てしまい、風味の部分で課題を残す商品が多かったんです。しかし、ここ最近は味わいへのこだわりが実を結んできたように思えます」

 そんな中、複数の植物由来原料を組み合わせて作られたプラントベースアイス『エクリプスコ(eclipseco)』が3月12日から、都内のファミリーマートにて先行販売される。

「クラシエからは『フロムグリーン』シリーズ、ロッテからは『クーリッシュGreen』シリーズから『ストロベリー』味が新登場と、“代替”アイスの市場もアツイんです」

 この春は身も心も満足させるアイスを食べてみては?