佳子さまは少し緊張した表情

 授与式の舞台では、スーツの上に、赤地に金や赤、黄、白色の縦縞が入ったガウンを羽織った秋篠宮さまとオフホワイトのスーツを着た紀子さまが並んでイスに座り、その後ろに佳子さまと眞子さんが着席した。名誉学位を受け取った秋篠宮さまが参列者から盛大な拍手を送られ、英語で5分ほどお礼の言葉を述べたが、佳子さまは少し緊張した表情でスピーチを見守っていた。

 その後、ご一家はパーテーム国立公園を散策し、メコン川の景観なども楽しみ、佳子さまは白い半袖ポロシャツにブルーのジーンズ、スニーカーという軽快な装いだった。記者たちからの声がけに秋篠宮さまが「楽しんでいます」と答えると、佳子さまと眞子さんも記者から「初めての海外旅行はいかがでございますか?」「暑さは大丈夫ですか」などと尋ねられたが、眞子さんは恥ずかしそうなしぐさのままで、佳子さまは姉に寄り添い笑顔を見せた。

 朝早く、地元の買い物客たちでにぎわう市場を訪れ、新鮮な魚や野菜、果物などを見て歩いた際には、佳子さまは丸首の青いTシャツとベージュ色のキュロットスカート姿。また、ご一家そろってプミポン国王と王妃を表敬訪問するなど、充実した南国の夏休みを過ごした。

「ウボンラーチャターニーでの数日間も心に残る滞在になりました。名誉学位の授与式に娘たちが出席しましたが、大変緊張しておりました。無事に終わりました後、ほかの場所に移り、その部屋にはたくさんの水槽が並べて置かれ、宮さまと一緒に娘たちは熱心に説明を聞き、また泳いでいる魚を一つひとつ、どういう泳ぎ方をしているか、どんな色か形か、話し合いながら楽しそうにしていました。(略)思い出深い旅行になりました」

 と、'03年11月の会見で紀子さまは振り返ったが、両親はタイ旅行に特別な思いを込めていた。

「外国に行って日本と違う文化に触れる、これは大変良いことだと思います。日本とはまったく違った文化に触れる、そこで日本との違いというものを感じることができると思います。しかし、一方で同じアジアの国で日本と非常に似ている点、共通している点ということにも気がつくのではないか、そうすることによって(略)、さらに日本の文化を理解する一つの契機になるのではないかと、そのように私は思いました」

 と、同じ会見で、秋篠宮さまは娘たちのためにこの旅を企画した意図を強調した。それは、外国で異なる生活や文化などに触れることで日本への理解がさらに深まり、今まで気づかなかった日本の良さを再認識してほしいという思いからだった。