“スーパーアイドル”の量産

 一方、所属タレントの結婚を事務所側が大歓迎しているかというと、むしろ懸念を抱いている人間は多いという。

「ファンが離れてしまうことで困るのは、本人というより事務所です。ライブやグッズだけでなく、ファンクラブの会員数が減るわけですから。旧ジャニーズタレントたちのファンクラブ会員数を見ても、会費は相当な額になり、安定した収益ですからね」(元ジャニーズ事務所関係者)

CDデビューが決定した『Aぇ!group』(公式サイトより)
CDデビューが決定した『Aぇ!group』(公式サイトより)
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 ただ、アイドルファンの多くは、結婚した“推し”のファンを辞めたら、それで“推し活”を辞めるのではなく、次なる新しい“推し”を探すものだという。幸い、かつての旧ジャニーズ事務所には今か今かとデビューを待つ予備軍が溢れていたため、“推し”の結婚で悲観に暮れることなく、また新たな希望を見つけることが困難ではなかった。ところが……。

「旧ジャニーズ事務所のころは、短いサイクルでの新しいグループの結成がしばしば話題になりましたが、最近では『Aぇ!group』のCDデビューが決まったぐらいで、以前ほどJr.の話も聞こえてこない。新事務所は始動したばかりなので、これからだとは思いますが、旧ジャニーズ事務所のような“スーパーアイドル”の量産は望めないのではないでしょうか」(前出・老舗芸能プロ幹部)

 スターの誕生には、もちろん個人の才能が大きな比率を占めるが、それ以上に発掘し才能を引き出し、育成、プロデュースする能力に長けている人間が必要となるのは言うまでもない。

 もっとも、滝沢秀明による『TOBE』の台頭やその他タレントの独立が続く流れを見る限り、スーパーアイドルを育成したとしても、その後の懸念は消えないが……。新事務所の前途は多難だ。