ギャンブル依存症の発言と、現役野球選手の発言。どっちを信じるか

 水原氏のインタビュー対応が“一度目と二度目で異なる”という点について、疑念を抱く人たちの気持ちも分からなくない。

「大谷側から圧力を掛けられているのでは」といぶかしむ人も多いだろう。

 しかしながら冷静に考えれば、大谷選手が違法賭博に関与しているという証拠は今の時点で一切出ていない。一方でここまで散々報じられた通り、水原氏はギャンブル依存症であることを解雇前に告白している。

 前述の記者はこう付け加える。

野球のためにひたすらストイックに生活する大谷選手と、実際に違法賭博に手を出して身を持ち崩した水原氏。どちらの発言に信ぴょう性があるのか、という話になります。さらに現状、大谷選手は被害者であると主張。

 両者の立場の違いは重視すべきだし、そもそも借金するほどギャンブルにハマってしまう人は、近しい人にも嘘はつくものです。ギャンブル依存症のセルフチェックなどでは、“ギャンブルで嘘をつくことはあるか”という質問がよくありますしね」

 現に大谷は会見で、自身の口座から水原氏がお金を流用し、周囲には嘘の説明をしていたとも話している。『ESPN』への水原氏の最初の説明を、ここでも否定する形となったわけだ。

 大谷はこれから、試合のことだけでなく、水原氏の違法賭博関与について警察への協力という形でも時間を割かれることになる。

 水原氏の招いた事態はこれからも影響は続きそうだ。まずは反省し、ギャンブル依存症の治療に邁進してもらいたい。

取材・文/松本ミゾレ