【県庁というのは、別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたり、あるいはものを作ったりとかということと違って、基本的に皆さま方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね】
4月1日、富士山をあしらったネクタイを締めて新人職員に語りかけたのは静岡県の川勝平太知事(75)。かつての“不適切発言”を反省したはずの知事だが、またもやトップとして似つかわしくない発言をしてしまった。
静岡県庁で開かれた入庁式での「職業差別」発言が各メディアで放送されて批判殺到すると、川勝知事は釈明会見を開いては【(発言の)一部を切り取られたと思う】と報道陣に恨み節。すると知事の“訓示”を全文公開する、“切り取り”ではないことを証明する報道もなされるなど騒動に。
県民からも批判と失望の声が上がると逃げきれないと思ったのか、辞意を表明するも【商業差別は皆無です。何か問題発言があったか】と、最後まで自身の発言に問題はなかったと主張するのだった。
「発言の“何が問題だったのか”を本当に理解していないように見えた川勝氏。これは75歳との年齢のせいではなく、“差別意識”が潜在的に刷り込まれているのか、とにかく“アップデート”できないのは致命的。
2009年から4期にわたって知事職を務め、2021年6月20日の知事選でも対抗候補に30万票以上の大差をつけた川勝氏。県民からの支持はあったように見えましたが、あの“失言”の際に潔く退いた方がよかったのかと」
全国紙・政治部記者が話す“失言”とは2021年10月、参議院議員補欠選挙で駆けつけた応援演説でのこと。自民党公認候補の地盤だった御殿場市を、【御殿場はコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている】などと揶揄するような発言をして抗議殺到。
6月に300万円以上のボーナスが支給される
翌11月に県議会で辞職勧告決議案が可決されると、同年12月の給与と期末手当、つまりボーナスを合わせた計約440万円を返上する意向を表明。かろうじて難を逃れた知事だったが、2023年7月に返上せずに受け取っていたことが明らかに。
【発言へのけじめは知事の職責を果たすことだと思い至った】などと釈明するも、約2年たった2023年に12月にようやく返上。ここでも不信任決議案が提出されるも賛成50票、反対18票(可決には51票が必要)とわずか一票で否決されて留任。
「今回、やっと自ら辞意を表明した川勝氏ですが、これも“即座に”ではなく“6月議会をもって職を辞す”と2か月後。本人は“知事の職責を果たす”つもりかもしれませんが、6月1日まで在職することで30日に300万円以上のボーナスが支給されます。
“最後は金目”ではないでしょうが(苦笑)、今までの言動も相まって県民からさらなる批判、抗議されることは必至。まさかとは思いますが、辞職も“するする”にならなければいいのですが」(前出・記者)
おおよそ富士山のような、トップの資質がなかったということか。