NHKにとって生理は重大問題
こういった考えは橋本万葉さん一人のものでなく、NHK全体のものでもある。新型コロナウイルスの感染拡大による家計の困窮によって生理用品を十分に購入できない女性が浮き彫りになった〈生理の貧困〉についても、NHKは2021年4月にいち早く『クローズアップ現代』で取り上げた。
また、国が音頭をとっているSDGsの目標のひとつ「ジェンダーの平等の実現」とも生理の問題は深くかかわっているため、SDGsへの貢献を誓う公共放送のNHKとしては無視できない話題なのだ。
ちなみに、さきほどコメントを紹介した橋本万葉さんは、『生理のおじさんとその娘』だけでなく、朝ドラ『虎に翼』の演出も手掛けている。
そうでなくても生理のことを広く伝えていきたいと思っているNHKが、看板番組である朝ドラの演出スタッフに、生理に“使命感”を持っている橋本さんを迎えたのだから、今週の放送のような展開になっても不思議はないのかもしれない。
「ただ、そうは言っても、生理の話はまだまだ話題にしづらいことだと感じている人も少なくないと思います。民放だと、視聴率やスポンサー離れを気にして、なかなかできないことなので、そこはさすがNHKだと思います」