救急搬送時、救急隊員はストレッチャーに乗せた容疑者の母親に懸命に心臓マッサージを続けていた(近所の住民提供)
救急搬送時、救急隊員はストレッチャーに乗せた容疑者の母親に懸命に心臓マッサージを続けていた(近所の住民提供)
【緊迫写真】犯行直後にパトカーに乗る野村容疑者、救急隊員は懸命に心臓マッサージを…

容疑者は「少年時代にひきこもったことがあった」

「お子さんは男の子ふたり。弟の“なおちゃん”はお母さんに顔立ちが似てかわいらしかった。仕事を持つご両親に代わって近くに住むお姑さんがお孫さんの面倒をみていたので“おばあちゃんっ子”でした。お母さんは“うちの子は義理の母に育ててもらったようなものなんですよ”と謙遜ぎみにおっしゃったことがありました。なおちゃんとはもう20年以上会っていませんが、どうしてこんなことになってしまったのか」(同女性)

 裕子さんはバリバリ働く一方、足取りがぎこちなく腰が悪い様子だった。やがて祖母は他界し、父親も約9年前に病死したという。近隣女性は涙を浮かべて話す。

「いつの間にか引っ越していたんですが、あの家族はみな温厚でトラブルとは無縁でした。家族仲もよさそうでしたよ。あー、本当にショックやわ」

 容疑者について「少年時代にひきこもったことがあった」とする情報がある。人懐こい兄とは対照的に、容疑者は内向的で印象が薄いという。

 中年になった容疑者は、自宅アパートから作業着姿で出勤するなど定職に就いているように見えた。その一方、周辺で不審な様子をのぞかせていた。

黒マスクでダブルピース。テーブルにはミルクティー2リットルとタバコ、ルイ・ヴィトンのキーケースが(本人のSNSより)
黒マスクでダブルピース。テーブルにはミルクティー2リットルとタバコ、ルイ・ヴィトンのキーケースが(本人のSNSより)

「ガニ股でママチャリをタルそうに漕いでいた。ラフな服装で金髪やった。目が合うと、視線をはずそうとせずフラ〜ッと向かってくるので“ヤバい奴や”と思って回避しました。よけへんの?って」(周辺住民)

 同じアパートの女性は昨年8月の騒動を打ち明ける。

「アパート前に消防車や救急車が駆けつけたんです。何があったんやろと思って外を見ると、容疑者宅のベランダにハシゴをかけて昇っていく。熱中症などで室内で倒れてカギが開かないのかなと思いましたが、やがて解決したみたいで引き揚げていきました。あれ、何やったんやろ」(女性住人)

 容疑者は金髪や茶髪などたびたび髪の色を変えた。酒もタバコも嗜み、キーケースはルイ・ヴィトン。黒色の服が好きだった。

 同じアパートの住人によると、容疑者宅から不穏な物音や口論が聞こえてきた翌日は決まってベランダに洗濯物が干されていたという。だれが干したのか、今もそのベランダには洗濯した黒いTシャツや靴下などが干されたまま取り込まれていない。