自分の個性を発信し、バッシングされたり、賛否両論があった。それでも前に突き進んでいった姿には感嘆するものがあったという。
「現在の中学校、高等学校で男女共に学生服がスラックス、スカートといずれも選べる学校が増えてきました。これも彼の発信があってこそ叶ったんじゃないかなとワタシは思っているんです。こういう功績を残したことを皆様に知っていただきたいのです。発信し続けた彼をもうちょっと褒めたたえてもいいんじゃないかって、ワタシは思うんですよね」
人気芸人の影響で再注目!
時代は動き、表舞台から退いていた山咲さんが再び注目されている。
「コットン(お笑いコンビ)のきょん様のものまねのおかげかしら(笑)。カフェで、女子学生たちが『きょんだぁ』『オカマよね』『きょんがやっているオネエじゃん』と大騒ぎされちゃいました」
54歳になり、もう怖いものもないし、なんでも楽しめる域に達したと朗らかに笑う。
「オカマでもオネエでもいいけれど、あなたって何と聞かれたら、ワタシはトオルちゃんって答えるかな」
現在は画家、タレントとして活動しているが、お声がかかればなんでもやっちゃう! と語る、山咲トオルさんの活躍が楽しみだ。
令和の常識LGBTQとは
L レズビアン 女性同性愛者
G ゲイ 男性同性愛者
B バイセクシュアル 両性愛者
T トランスジェンダー 出生時に割り当てられた性と異なる性を生きる人
Q クィア/クエスチョニング 性的指向・性自認が定まらない人
取材・文/水口陽子
やまざき・とおる タレント・歌手・漫画家。1969年東京都港区で生まれ、沖縄県で育つ。アイドル志望時には、『飛び出せ!日本男児』のオーディションで決勝大会に出場したが、道は開けずに断念。漫画の作品は『戦慄!!タコ少女』『戦慄!!オババドル』など。漫画家でオネエタレントとして人気を集め、絶頂期には1年間でテレビ出演が250本以上。テレビ休業中も『幸せ!ボンビーガール』のナレーションを続け、また年に2回、個展を開催し大好評を博す。