性加害問題に触れる覚悟はあるのか?
1978年に第1回が放送されたチャリティー番組『24時間テレビ』は、公式サイトによると募金の目的を、《全国の善意ある視聴者の方々からお預かりした寄付金は経費を差し引くことなく、「福祉」「環境」「災害復興」の3つの分野の支援活動に活用させていただいています》としている。確かにこの目的だけ見るなら“愛”に溢れた素晴らしい番組だ。
そして旧ジャニーズのタレントでは1995年にSMAPが初めて抜擢され、2003年のTOKIOがメインパーソナリティーになって以降の20年以上、途切れることなくずっと旧ジャニが起用され続けている。
大きな問題を抱えながらも例年どおり旧ジャニ起用に踏み切った日テレだが、それならば気になるのは、『24時間テレビ 愛は地球を救う』内で真っ向からジャニー氏の性加害問題に触れる覚悟はあるのか、ということである。
旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)とSTARTO社はもう別ものという考え方もあるかもしれないが、旧ジャニからタレントが移行してSTARTO社のマネジメント業務が本格的にスタートしたのは今年4月と、つい最近。同一視する視聴者はまだまだ多いはずだ。
また、性被害者への補償問題はある程度進展しているようだが、とてもじゃないが完全にクリアになっているとはまだまだ言えない段階。補償業務を終えた後に廃業する方針を示しているSMILE-UP.社がまだ存続していることが、なによりの証拠だろう。
公開処刑のようにされてしまう可能性
番組タイトルで『愛は地球を救う』と堂々と謳うチャリティー番組が、まだ多くの問題をはらんでいる旧ジャニのタレントを出演させておいて、性加害事件についてガッツリ触れなければ、愛だなんだと言われても薄ら寒い絵空事にしか聞こえない。
さすがに日テレ側も一切ノータッチでやり過ごすことはないかもしれないが、番組冒頭にさらっと言及する程度で、お茶を濁す可能性はありそうだ。
ただ、『愛は地球を救う』という番組で今回STARTO社のタレントを起用するのであれば、きちんと長尺で時間を取って性加害事件に向き合っていくのが“筋”というもの。
その覚悟がないならSTARTO社タレントを出演させるべきではない。
もしかすると、そんなふうに性加害事件に触れたら、出演するSTARTO社のタレントやそのファンがかわいそうという意見もあるだろう。
そのとおりだと思う。
STARTO社タレントに罪はないのに、公開処刑のようにされてしまう可能性は否めない。
だからこそ、少なくても今年は、STARTO社タレントを出演させるべきではないと、強く感じるのだ。
――STARTO社タレントの出演がもう決定しているのであれば、日テレにはタレントやファンにつらい思いをさせてしまうことも覚悟のうえで、ジャニー氏の性加害事件にきちんと斬り込んでいってもらいたい。