「何か得体の知れない怖さを感じました」

 築50年の分譲マンションで、姉弟の部屋の間取りは3DK。2人のことを知る別の住人によると、同マンション建設時に松本家も購入したという。

「姉弟の両親が買ったのよ。結構人気があって抽選の倍率もものすごかった。でも1階にある古いスーパーの関係者が建てたマンションだったから、そのスーパーの社員だった2人の父親は、優先的に購入することができたの。だから、姉弟はここで生まれて育ち、いまも住んでいるんです」

 その後、父親が20年ほど前に死亡。専業主婦だった母親の姿を見かけなくなった。

「3年ほど前、マンションの自治会のかたから“母親は亡くなっている”と聞きました。父親、母親の時代は近所づきあいをしていましたが、2人はいまどきの若いかただから、ねぇ。そういうこともなくなっていった」(同・別の住人、以下同)

 姉は背がすらっと高く、弟はがっしりした体格だった。ともに独身だったようで、

「風変わりな姉弟でした。姉は挨拶も会釈もしない、どちらかというと無愛想でした」

弟は10年ほど前、ちょっとしたトラブルを起こしていたとも。

「姉が“弟が部屋で暴れている!”と玄関から逃げ出して別の部屋に駆け込んだとか。弟さんは引きこもりがちだったし、家庭内暴力があったのかも……」

 そのときの名残として、姉弟の部屋の窓ガラスは今も割れたままだ。弟はほかにも奇行が。今年初旬のことだ。

「夜遅く帰宅すると、弟がマンションの階段スペースで立ったまま缶ビールを飲んでいた。階段の手すりの上にはつまみが乗っていた。何か得体の知れない怖さを感じました」(前出・マンションの住人)

 別の住人からは弟は無職で2人はお金に相当困っていたのではないかとも……。都会の片隅でひっそりと暮らしていた姉弟に一体何が起きたのか、捜査の進展が待たれる。