母親は出戻りの娘に“出ていけ!”

「妹さんも近隣の市に嫁いでいて、実家は年老いた両親だけになっていたから」

 母親は最初、出戻りの娘に“出ていけ!”と怒鳴りつけたという。

「厳格というか、厳しすぎる母親だったからね。出戻りだと世間体が悪いと。父親は寡黙で優しい人だったから、そんなことは言わない。それで容疑者は1、2年、隣の立川市のアパートに住んでいて、しょっちゅう実家へ通っていたね」

 その後、母親もようやく同居を了承したようで、両親と3人で暮らすように。

質素に暮らす家だが、庭の植木には手入れが行き届いている
質素に暮らす家だが、庭の植木には手入れが行き届いている
【写真】「母親の介護が大変だったから…」容疑者の唯一の気晴らし

「本当に小峰家はつつましやかというか、質素に暮らす家でね。ちょっと前まではクーラーだってなかったんだから。庭の植木も自分たちできちんと手入れをしていた。容疑者も母親も無職だったけど、相当の蓄えがあったから問題なかったんじゃないかしら」

 そんな中、10年ほど前にちょっとした異変が起きた。

「毎日、散歩を日課としていた母親を見なくなった。病気なのか、認知症なのかはわからないけど、なにしろ高齢だから介護を必要とするようになったんでしょうね」(別の近所の住民)

 容疑者の実家には定期的にデイサービスが訪問し、近所の内科医も訪問診療に来ていたようだ。3、4年前には父親が亡くなった。

「転んだとかで、足を骨折して入院したんだけど、入院先の病院でコロナに罹患して……」(前出・近所の住民、以下同)