「もめているとは思わなかった」

 被害男性は、その際の多田選手の態度に違和感を覚えたようで、

「“多田と写真撮りたいなら多田に頼めばいいじゃん”と言われて。そこでやっと多田選手がいると気づきました。友人は明らかに多田選手をかばっている様子だったのに、当の本人はわれ関せずで。もめ事を止めるそぶりもなく、その場で静観していました」

 この件について、多田選手が所属する住友電工陸上競技部に問い合わせたところ、次のような回答があった。

「店にいたのは事実です。多田選手は、友人がトラブルのあったというテーブルへ話をしにいったことは認識していたものの、多田選手がいた席からは離れていて、話している内容が聞こえず、もめているとは思わなかった」

 写真に写り込んでしまうほどの至近距離にいたにもかかわらず、もめ事にはたして気づかないものだろうか。

「最初に詰め寄ってきた多田選手の友人は、もめている途中、多田選手のいるテーブルに戻って、状況を説明しているようでした。すると、3人がかりで戻ってきて“写真を消せ”と脅してきたんです。そんな状況で、気づかないというのは、ありえないと思います」(前出・被害男性)

 トラブルのあった6月22日、多田選手は自身のXで《来年の東京世界陸上を目指して頑張ります》と綴っていた。

トラブル当日、多田選手は大阪選手権に出場していました。ふくらはぎをケガして以降、初のレースでしたが、調子はまだ万全とはいえなかったようです。レース終了後、パリ五輪の予選会を兼ねた日本選手権への出場を断念したと自身のXにて表明。これに対してファンからは温かいメッセージが数多く寄せられました」(前出・スポーツ紙記者)

 いろいろな事情があるにせよ、被害を受けた男性のことを気遣う余裕はなかったのか。