女性皇族が結婚後も皇室に残る案の着地
議論はどのような着地を迎えるのだろうか。宮内庁OBで皇室解説者の山下晋司さんによると、
「女性皇族が結婚後も皇室に残る案は、与野党ともおおむね賛成しています。ただ、その配偶者と子どもの身分については意見が分かれています。特に子どもが皇族になることは、将来的に女系天皇が誕生する可能性があるため、男系継承を主張する人たちは認めていません。
必要なことは妥協点をさぐることですが、例えば、女性皇族が結婚後も皇室に残り、配偶者も子どもも皇族とし、併せて、旧宮家の男系男子の養子も認める、その場合の皇位継承順位は男系男子を優先するという案も考えられます」
前出の皇室ジャーナリストは「皇室側の意見を伺うこともひとつの手だ」と話す。
「女性宮家の法案が通った場合、佳子さまと愛子さまは結婚後も皇室に残り続けます。まるで“鳥籠”に閉じ込められるかのようですが、はたしておふたりは結婚後も皇室に残ることを望んでいらっしゃるのでしょうか。議論の中心にいるおふたりの意見や、皇室の総意を聞くことも必要だと考えています。
国会が皇室の意見を聞くことは憲法で禁じられていますが、国民が皇室の意見を聞くことは可能です。'16年、上皇さまは退位の意向がにじんだお気持ちをビデオメッセージで表明。上皇さまのお気持ちを国民が聞き、国民の意思として国会がくみ取り、生前退位の準備に取りかかるという流れになりました。そうした方法であれば、国民が皇室の意見を聞くことは可能だと思います」
佳子さまと愛子さまには特例措置も必要だと、同ジャーナリストが続ける。
「これまで佳子さまと愛子さまは、結婚後に皇族の身分を離れるという前提で人生を過ごされてきました。仮に女性皇族が結婚後も皇室に残るとしても、今の制度で育ってきたおふたりは特例措置として“皇室に残るか否かは本人の希望にゆだねる”という旨を、新しい法律に盛り込まなくてはいけないと思います」
新リーダーが進めかねない非情な“鳥籠プラン”に対し、ふたりのプリンセスは、どう立ち向かわれるのだろうか。