「僕は絶対嘘はつきません」

 アンナの父・梅宮辰夫さんが二人の交際に公然と反対したことに対し、羽賀は会見を開き、「誠意をもって」「誠意を示して」など「誠意」という単語を連発したため、“征夷大将軍”にかけて“誠意大将軍”と呼ばれたりもした。

 それでも羽賀とアンナは別れることなく、二人で“ペアヌード”写真集まで出している。そんなことから平成の“バカップル”と揶揄されたが、結局1999年に分かれている。

 当時、私は羽賀を何度か取材したことがある。借金で首が回らないはずなのに、彼は高級車を乗り回していたときがあった。“アンナに借金させて購入した”という噂が出ていたので確かめに行ったのだが、当時の羽賀は、白金にある芸能人御用達のカフェバーに連日入り浸っており、その日も車を店の目の前に駐車し、知人と談笑していたのだった。帰るころになって車に戻ってきた羽賀に声を掛け、取材の趣旨を伝えると、

「僕がそんなことするわけないじゃないですか。信じてくださいよ。僕は絶対嘘はつきませんから」

 と、私の右手を両手で握り、じっと目を見て話してくるのだった。そして「いつでも連絡してください」と、携帯の番号まで渡してきた。

 これでは、信じてしまう人は多いだろう。実際、同行していた女性記者は「素敵な人じゃないですか。いい匂いもしますし、嘘を言ってるようには見えないけど」と、コロッと騙されてしまっていたのだった。口の上手さは流石だと思った。

 今回は、不動産登記を偽装し差し押さえを免れようとしたとして、強制執行妨害目的財産損壊等罪などの容疑で、元妻や暴力団関係者と一緒に逮捕されたことで、暴力団関係者との繋がりがいまだにあることが判明した。

 梅宮辰夫さんが羽賀を指して「稀代のワル」と呼んだとき、そこまでではないだろうと思ったが、今あらためて、的を得た言葉だと実感する次第だ――。